世間せまないか?
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
- 落語
桂 三四郎
2026/02/01
罠にかかったマンモス?
ただ相手はスーパー中学生の寺山くん。
今度は100キロ超の体を駆使して、小学生に体当たりだ!!
なすすべなくぶっとばされていく僕らは、心の中で
「これは空手ではなく、相撲じゃないのか!?」
と疑問に思っていると、あまりにも強すぎる寺山くんを見かねて会長はこう言った。
「寺山くん!! 今から1分間、攻撃禁止!!!」
攻撃禁止!!!!
なんという非常な指令だ!!
ただ、道場の絶対権力者である会長の命令は絶対だ。
ついに寺山くんは攻撃を禁止され、3人の小学生にタコ殴りにされていく……。
さすがの寺山くんも、攻撃を禁止されたら何もできない。
必死で逃げ惑うヘビー級の中学生を蹴りながら、僕らは思った。
「これは空手じゃなくて、袋叩きじゃないのか?」
僕らは空手を習いにきたつもりが、いつの間にか袋叩きのやり方を教わっていたのだ。
それを見て会長は、さらに続けた。
「よし!! 全員で寺山くんに攻撃!!!」
指令を受けた小学生が容赦なく、寺山くんに襲いかかるその様子は
さながら、罠にかかったマンモスを狩猟するネアンデルタール人のようだった。
30年以上前とはいえ、なかなかすごい体験だ。

思っていた空手とも違ったことや、もし続けられたとしても
いずれ寺山くんのように小学生にボッコボコにされるのは嫌なので僕は通わなかったが
僕の友人は通っていたそうで、なかなか楽しい空手ライフだったそうだ。
こうして聞くと無茶苦茶な人のようだけど、すごく魅力的な人で、道場の卒業生からもすごく慕われていて今でもOBが訪ねてくるらしい。
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