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寄席、そちらとこちら

「二藍の文箱」 第9回

 そして現在。しばらく寄席にもなかなか顔付されなかったが、昨年10日間の出番をいただいたと思ったら、2月の中席に鈴本演芸場の昼席のトリをおおせつかった。

 真打昇進より11年。わたしよりも、お客さんと楽屋の後輩先輩が待っていてくれたような節がある。“よりも”というより、わたし自身は待っていたとか目指していたという感覚はもうない。ないけれど、自分が育った寄席にまた帰ってこられたことはとてもうれしい。

 寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている。

 2月中席鈴本演芸場昼席の初日。わたしは客席にいる、あの頃の自分に会うのがとてもたのしみだ。

 そして、あの頃の自分に言ってあげよう。「こちら側にくるよりも、そちらで落語を聴いているほうがよほど利口。だけど、こちら側からの景色はとてもいいよ」と。

公演案内

鈴本演芸場 2月中席(2/11~2/20)昼席

(毎月2日頃、掲載予定)

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