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講談界を駆ける一鶴イズムの継承者 田辺銀冶(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第26回

定席の意義と未来

銀冶 私も強く印象に残っています。私自身は今は、(宝井)琴鶴先生から馬琴先生の台本をありがたくも貸していただき『小牧山合戦』の連続読みをしています。まだ軍談のこれぞという楽しみまでは見出せていないので、会名に「道場」とあるように、毎回、その気持ちで挑んでいます。

 美文調で読める『本能寺』や『甲越軍記~和談破れ』のように、既に台本が完成されているものは読んでいて楽しいんですが、速記本から起こすとなると、どういう調子で読んでいけばよいのかわからなかったりするので、これからもじっくりと向き合っていきたいですね。苦しみながらですが、いつかはやっぱりうまくなりたいですね。

銀冶 講談を毎日読める定席は復活させたいですね。ホームになるべき場所がないのは、やはり弱いですし、「どこで講談を聴けるんですか」「いつやっているんですか」と尋ねられても、すぐに答えられないのは悔しい。それに真打になると場数が減ったりもするので、もっと講談が読める場がほしいです。

銀冶 そうなんです。色々な講談に関する話を聴きたいですし、先輩方の思い出話もまた勉強になるんです。講談界は今、活気がありますし、今の世代ができなかったら、もうできない。それは今ならばできるということだと思っています。

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