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映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(中編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第32回

山に刻まれた歴史を歩く

一記 いわゆる一連物ではないですし、短いエピソードが並んでいるものなので、どうつなげていけば良いか。今はもう一作ぐらいはできるかなと思って、一旦寝かしているところです。他にも黒部とつながる猟師の本もあるので、それもまたできればいいなと。それと関連のある小屋があるので、そちらにも行ければなあと思っています。

一記 出身が群馬なので、子どもの頃は遠足の行く先は山が多くて、好きというより、そこに山があるから登るという(笑)。でも大人になってから山に登ろうという気持ちは起こらなくて、友だちに誘われたから登るようになりました。雲ノ平へ行くのは大変なので、練習登山をしてきました。これからはもうちょっと気軽な感じで行ければと思っています。そこまではまだまだ行けていませんが。

一記 佐々成政(さっさなりまさ)のエピソードを読んでいます。徳川家康に豊臣秀吉を倒してもらおうとお願いに行こうとしたら、敵に囲まれているので、山越えをするんですが、結局、相手にされずに報われなかったという……。努力や思いが報われるから取り上げられるという話が多い中、人生そんなこともあるよねと思って作ってみました。

一記 作っていくうちに感情移入できるようになって、もっともっと練っていければいいなと思っています。

一記 あくまでも伝説で、成政が通ったと言われるルートも諸説あります。全くの作り話であれば、名前であったり地名であったり、そこまではハッキリと残せません。やはり伝説として残っているから、ああした作品が生まれたんだろうと思います。そうした各地に残るエピソードをつなげていければと思っています。

 それに立山の五色ヶ原(ごしきがはら)には行ってみたいですね。そこで成政が通ったかもしれない道に立ってみたい。山と言えば、山梨の岩殿山(いわどのさん)にも行ったことがあります。山城があって、武将がいた山です。いざ登ってみたら想像していたよりも険しくて、急峻でザラザラしたところもあって大変でした。こんなところにどうやって馬を連れて来たんだろう。城を造るにしても大変だっただろうな。攻められにくいだろうなと、そんなことを思ったりもしました。