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2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)

「講談最前線」 第16回

任意団体から法人化への転換理由

 ここで新体制の発表があり(下記参照)、続いて質疑応答の場が設けられた。

 改めて、法人化の経緯については、琴調会長が「これまで任意団体の講談協会として活動していたが、任意団体であったことから、地方自治体の仕事を協会として受けられないなど不利を被ってきたことがありました。そこで昨年10月8日に法人として登記を行い、今月1日から法人としての活動をスタートさせたことから、4月1日はある意味『講談の日』と言っても過言ではありません!」と、笑いを交えながら意気込みを語った。

 さらに琴調会長は、4月から落語界では『あかね噺』のアニメ番組が始まることを受け、講談を題材にしたマンガもあること、また日本講談協会との共催で行っている「泉岳寺講談会」、そしてYouTubeでの「講談かわら版」が講談の入口としてありがたいコンテンツであるといった、記者側からアドバイスも得て、「今後も学校寄席での講談の普及や、『泉岳寺講談会』は講釈師にとって聖地とも言える泉岳寺で、やっと開催することのできた会であり、今月で50回を迎えることもあって、今後も継続させていきたい。また昨年好評であった、80過ぎの講釈師だけが出演する定席を開催したところ、大変な人気であったので、今年も柳の下のドジョウを狙って、5月に開催するので、そこでまた新しいファンを。さらに若手にしても、今月(4月)は神田おりびあが二ツ目に、秋には田辺いちかが真打に昇進します。そうした若手の活動を知らしめるためにもSNSは必要です。そうしたことへのご協力もぜひ!」というアピールをした。

東京講談界、二団体体制の現在地

 ここでも話が出たように、東京の講談界は現在、講談協会とともに、人間国宝である神田松鯉やその弟子で人気者の神田伯山らが所属する日本講談協会がある。昭和の講談界の中で、分裂・合併は繰り返されてきたが、現在の体制は1991年に、当時の講談協会の会長選挙の結果に異を唱えた二代目神田山陽が一部の弟子を率いて独立し、日本講談協会を設立して以降のままのものである。

 琴調会長は「今の若手の多くは何があったか知らないという人も増えてきた」としながら、「日本講談協会所属の講談師の多くは、提携団体である落語芸術協会にも加入しており、芸協の定席寄席にも出演している」と発したことから、それを踏まえて、私からも一点、次のような質問を行った。

 「本日、日本講談協会でも新体制が発表されたが、新たな枠組みの中でどんな連携を組んでいきたいか?」

 会場内でも知られていない情報でもあったらしく、ちょっとざわつきながらも、会長が神田昌味、副会長が神田茜に代わったことがわかると(前任は神田紅会長・神田昌味副会長)、琴調会長は「相性は良いと思います。泉岳寺講談会や講談伝承の会などの成功例があるので、連携は取りやすいと思っています。日本講談協会として開いた『はじめての講談会』も大盛況とのこと。我々は我々で負けないように頑張っていく。できたら両協会でまた新しい講談会もやりたい。講談を広めるためでしたら、両協会ともに努力を惜しまぬはずです。早速、昌味会長、茜副会長と一献酌み交わして、話し合ってみたいと思っています」と、これまた琴調流の笑いを交えながら、協力に前向きな姿勢を見せた。