4月23日は、ビールの日 →オッサンの妖精に出会った男の混迷
「エッセイ的な何か」 第11回
- 落語
三笑亭 夢丸
2026/04/25
引っ越し先の廃墟に到着し、階段を上がっていく。これが結構つらい。
二人してヒイヒイ言いながら無人のビルを上がっていったところ……三階の踊り場から見知らぬオッサンが飛び出して来た。
………………!?
なぜ、無人の建物であるはずの踊り場から謎の男が? 驚きで固まる我々に向かい、この男性が口を開いた。
「手伝うよ」
いやいやいや! まず、誰なのよ!?
……で、結局、しっかり最後まで手伝ってもらってしまったのだが、一緒に作業してもらったお礼に部屋でビールを奢ると言ったところ、「うん、うん」と言いながらも、気がついたら、いなくなっていた。
結局、何者だったかは今もって不明である。この廃ビルに住む妖精であったのか? オッサンだったけど。
そうして夕方から、しこたま買い込んだビールを桃之助さんと飲み始めたのだが、案の定、最終的には雑魚寝して泊まっていくことに。しかし、ビールは好きでも、霊的なものは好きではないらしく、
「この建物はオバケがいますよ!」
「さっきのおじさんもきっとオバケだ!」
と、引っ越し初日に断言されたくないことを連呼。
まあいいや、しょうがない。もうここに引っ越しちゃったんだし。もう夜遅いから寝よう。電気消すよ……。
「イヤ、怖い! せめてオレンジのちっちゃい明かりつけて!」
小学生か! やはりその後も恐怖を感じていたらしく、
「もう、こうなったら自分がオバケになる!」
という意味不明な発言の後、
「うらめしや~」
と、ステレオタイプな幽霊の形態模写を続けていたのだった。
同期とはいえ、相当年上の男性が引っ越し初日の深夜に自分の家でオバケの物真似をしているという状況。まったく意味が分からない。
心霊よりも実際の人間が恐ろしいとはよく聞く文言だが、事実、その言葉をかみしめた一夜であった。
皆さん、人間は怖いですよ!(特に酔っ払い)

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