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声優

「座布団の片隅から」 第13回

 塩野瑛久さんは声優初挑戦だそうで、今回の演者の中で唯一、俳優畑からの出演になる。塩野さん演じる阿良川魁生は、若き天才落語家の役である。さらに落語も覚えるわけだが、第二話で魁生がやる「稽古屋」、この噺がめちゃくちゃに難しい! つまり、声優初挑戦&天才の役&難しいネタという、とんでもない試練を乗り越えなきゃいけないわけだから、その苦労は推して然るべきである。僕だったら収録までにバックレている! 塩野さんはすごい!

 さて、その「稽古屋」は現在、二ツ目で持ちネタにしている落語家がそう多くない噺だ。噺の中で唄と踊りが入るので、余芸の稽古を積んでから噺を仕込まなきゃいけないという、一席覚えるハードルが高いネタなのだ。

 稽古屋の中で唄う曲も色んな形があって、あかね噺の原作では、「喜撰」(きせん)という清元(きよもと)の曲を唄う形だった。アニメ版では小唄の「びんのほつれ(替え歌)」となっている。どちらにせよ、この唄が難関である! カラオケが得意な歌自慢の人が一朝一夕で歌えるわけではない。

 現代音楽とは間や微妙な音階が違うので、何年もやってないと出せない”味”がある。このネタを得意にしている真打の師匠方の喉のなんと素敵なこと! 僕は踊りも唄もまだまだ修行中で、目下稽古に通っている真っ最中。一生かかって仕上げていく噺だと思っている。