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炎天下に美味しい背徳のスイーツ
「かけはしのしゅんのはなし」 第3回
- 落語
夏の浜スタ名物!
今年2025年の横浜高校は、春のセンバツ高校野球で優勝し、松坂大輔さんの世代が達成した1998年以来の春夏連覇を目指す注目校となっています。
しかしながら、何が起こるかわからないのが高校野球。今年も甲子園出場をかける神奈川大会の準々決勝、横浜高校は平塚学園を相手に9回の裏ツーアウト、1点ビハインドという土壇場の状況に追い込まれました。そこから3番・阿部葉太選手のサヨナラツーベースヒットで劇的な逆転サヨナラ勝利を収めます。
出先で試合状況を確認していた私は、準決勝を現地で応援に行こうと決心しました。
横浜スタジアムで開催される準決勝の前売り券を調べると、すでに全て完売。どうやら、どこの学校が勝ち上がろうが事前に完売してしまうみたいです。高校野球の人気、恐るべし。
しかしながら世の中はコネ、繋がりです。ありがたいことに学校関係者の方と繋がりがあります。そこで思い切って連絡をしてみたところ、すぐに返答をいただきました。
「すみません、収拾がつかないのでチケットの手配はやっていないです」
真っ当なご意見。同じような連絡がたくさん来ているのでしょう。「ただでさえ忙しいのに、こんな時にだけ連絡しやがって」と思っていらっしゃるかもしれません。
とりあえずスタジアム内で落ち合うことになって準決勝当日、入場券を求めて横浜スタジアムへ。午前8時過ぎにもかかわらず、関内駅は大変な賑わい。最高気温38℃という猛暑日。照りつける太陽に見守られながら、みんなでぞろぞろとスタジアムへ向かいます。
横浜スタジアムのチケットブースで入場券を購入して、スタジアムの中へ。
コンコースでは、多くの観客が売店に列をなしています。中でも人気なのが横浜スタジアム名物『みかん氷』。一見、削った氷の上に缶詰みかんを乗せただけのかき氷。食べてみても、その通りの味。
だったら自宅でも簡単に食べられると思うかもしれませんが、同じように作ってみても何かが足りない。何が足りないか――。ずばり、暑さが足りないのです。容赦なく日が照りつける灼熱のスタジアムの暑さが足りないのです。
目玉焼きが焼けるのではないかと思うぐらいに熱された座席で食べるみかん氷は、背徳的な美味しさ。
もはや快楽。早く味わいたい。