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炎天下に美味しい背徳のスイーツ
「かけはしのしゅんのはなし」 第3回
- 落語
あの日の熱狂、再び
ひとまず関係者の方と合流して、ご好意で横浜高校の応援席に入らせていただくことに。卒業して以来、17年振りの応援席です。入った瞬間、17年前を思い出しました。
一塁側の内野席に集まった全校生徒。グラウンドの仲間達を応援している野球部や応援団の掛け声とブラスバンドの演奏。学校関係者や保護者も大声を出して応援している光景は、17年前と変わりません。
ただ一つ大きく変わったのは、女子生徒がいること。横浜高校は、2020年に男子校から男女共学校となりました。年々、入学志願者数も増え、今では男子生徒よりも女子生徒の方が多いそうです。
私の現役時代、厳格な生徒指導部の顧問のもと、拳と血の匂いがした応援団も、今では男女分け隔てなく真っ黒に日焼けをして、声をからしながら笑顔で客席を鼓舞している汗と青春の応援団となっていました。
辺りを見廻すと、クラスごとにまとまり、男女2人ずつ並んで照れることなく大声で応援している現役生の姿。青春真っ只中。17年前、相手校のチアリーダーを羨ましく見ていた、あの頃の私のような学生はいません。
とにかく、応援席は力いっぱい選手達を応援します。攻撃中はブラスバンドに合わせて応援歌と手拍子。守備の際は、ストライクやアウトを取るたびに力いっぱい拍手を送ります。私も周りに合わせて、休むことなくメガホンを叩きながら応援していました。
試合が始まってしばらくして気付きました。
応援席で、みかん氷を食べている人が見当たらない!
確かに、ずっと応援していると、みかん氷を食べるタイミングがない。食べようものなら不届き者とみなされて出入り禁止になるかもしれない。
みかん氷は、食べてはいけないのか……。食べてもいいだろうけれども、なんだか食べづらい。近くて遠くは、みかん氷。あぁ、みかん氷……。
試合は中盤に逆転して、見事に勝利。翌日の決勝戦も制し、神奈川代表として横浜高校が甲子園に出場を決めました。
家でみかん氷を作って応援しよう。
(毎月18日頃、掲載予定)