「カケハシ」に行ってきた! ~名前にまつわる小さな冒険

「かけはしのしゅんのはなし」 第4回

スパゲッティに寄席の理想を見た午後

 そんなことを考えつつ、平日の昼間に行ってみたら、お店の前が大行列。相当な人気店みたいです。明るくて綺麗な店内を大きなガラス窓から覗くことができて、満席のカウンター席には、昼休みのサラリーマンの方が大盛りのパスタを頬張っていました。

 何を注文しようかと、看板に出ているメニュー表を見て、目に入ったのが「タラコとウニとイカのスパゲッティ」。お店の人気メニューということです。これでしょ。美味しいに決まってる!

 15分ほど待って、店内へ。もちろん、お店の方に騒がれることはありません。カウンター席に座り、注文しました。目の前のキッチンで作られるので、ほかの人が注文したアサリのトマトソースにも心を奪われながら、「タラコとウニとイカのスパゲッティ」が到着。

 刻み海苔が乗った、湯気が立っている黄金色のパスタの山にフォークを突き刺し、口いっぱいに頬張る……。

 美味しい!!

 ウニの濃厚さにイカの旨味、タラコの塩味もすべて調和されています。それぞれが主役を張れる立場でありながら、与えられた役割を全うして1つの作品となる、いわば理想的な寄席のような形。そういったことをできるのが春風亭かけ橋の目指すところ。

 この店は、もはや「かけ橋の店」なのかもしれません!

 美味しかったので写真を撮って、1日の終わりにSNSに上げようと思いました。だが、待てよ。「タラコとウニとイカのスパゲッティ」は、私の立場だと鼻につくのではないか……。そんなことを考えながら、秋の夜長は過ぎていくのでした。

スパゲッティ カケハシ(Instagram)

https://www.instagram.com/kakehashi_shinjuku/

タラコとウニとイカのスパゲッティ(Instagram)

(毎月18日頃、掲載予定)