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徳島

「座布団の片隅から」 第6回

愛が止まらない

 あぁ、徳島の味が恋しい……。

 色んな名物を食べさせてもらったが、なんといっても一番好きになったのは鳴門わかめ!!

 これがとんでもなく美味しかった。鳴門の渦潮を生み出す激しい激流で育った鳴門わかめは肉厚でコシのある歯ごたえで、今まで食べて来たわかめとは全く別物と言っても過言ではなかった。

 なんというか存在感が違う。普段食べている薄くてヤワなわかめと比べると、分厚くて巨大なのだ!

 相撲で例えるなら、わんぱく相撲の横綱と大の里ぐらい違う。ちょっとわかりにくい。北斗の拳で例えると、通常のわかめはリンで、鳴門わかめはまさにデビルリバースだ!!…余計わかりづらいか。

 あぁ、鳴門わかめが食べたい……。山崎まさよしさんのワンモアタイムのように東京で探してみるが、こんなとこにいるはずもない。やはり現地で食べる鳴門わかめは絶品である。

 去年、徳島へ初めて行った時には朝昼晩と三食、鳴門わかめを食べた。まずホテルの朝メシでわかめサラダ、昼は徳島駅前にある「セルフうどん やま」でわかめうどん、夜は居酒屋でわかめの刺身。

 お昼に食べたわかめうどんの味が特に忘れられない。わかめうどんにわかめ天を乗っけて食べた。わかめもさることながら、このお店はうどんの麺もシコシコでとっても美味しい。

 ここの麺の美味しさの秘訣が店内に貼ってあった。製麺室と熟成庫にショパンをBGMで流しているらしい。「ショパンの優雅な旋律が生地の『ストレス』を緩和させる」とのことだ。……目から鱗だ!

 これからは噺がマズイと思った落語家には、ショパンを聞かせた方が良いかもしれない。