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「朝橘目線」 第6回

お手軽だけど、世界に誇る味

 2021年の東京五輪、小麦粉の精みたいなのが舞っていたのは開会式だっけ?

 ワカメの化身みたいなのも居た気がする。コロナのせいで制約だらけの中、無事開催できた日本の運営が賞賛されたのは、とても嬉しかった。自分は何も貢献していないけど。

 選手村の食事が好評だった、という記事も見かけた。冷凍餃子の質の高さに、選手の皆様が驚いていたとか。

 ところがそんな記事を、批判的に捉えている方が居た。一流の職人が腕を振るうべきところを、冷凍食品なんぞを出すのはみっともない、と。

 自分はむしろ、素晴らしいことだと思った。冷凍餃子は、我が家も常備している。子どももよく食べる。油も技術も何も要らない。誰でも焼ける。

 大勢の選手でごった返す選手村の食堂には、うってつけのアイテムだ。これぞ企業努力の賜物であって、日本人の知恵と努力を世界にアピールできたと私は思う。

 外食にしても、チェーン店が多い。うちは子どもが小さいから、ファミレスくらいしか行けない。これがまた、どこも安価で美味しい。サービスも行き届いている。

 子どもができるまで、こんなにファミレスに行くことになるとは思わなかった。風情あるお店が減った、大手チェーン系ばかりでつまらない、面白くない。そういう声もよく聞く。分からんでもない。

 先日行った浅草の街もそんな感じだった。でもそれら全て、世界中の人が絶賛するレベルの食事が、いつでもどこでも誰でも提供できるし、享受できる国になったってことで。

 製菓業の経験がある人が「コンビニであのクオリティのスイーツ出されたら敵わない」と言っていた。良い物があまりに身近にありふれているせいで、その有難みが分からなくなってしまうけど、日本って凄い国だと改めて思う。

 この国に生まれて良かった、村下孝蔵さんの歌だっけ。つくづくそう思う。