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玉川祐子師匠

「コソメキネマ」 第十七回

名披露目

 浪曲界には、落語や講談のように真打制度はありませんが、前座を卒業する時に名披露目(なびろめ)という大きめの会を開く慣例があります。

 一門の港家小ゆき姉さんの名披露目の日、私がよりによって何年かぶりでインフルエンザにかかってしまい、欠席。当日、私を弾くはずだった祐子師匠は出番がなくなることに。

 それがとっても残念だったらしい祐子師匠、その後、ことあるごとに「小そめちゃんの名披露目は私が弾く! それまでは絶対に引退しない!」と繰り返し仰っていました。

 しばらくして、師匠が亡くなり、まだ前座だったため、「誰かの預かり弟子に」という話が出て、祐子師匠に預かっていただくことになりました。

 ちょうどその時期に、同じ頃に入門した方たちの間でそろそろ名披露目をという話が出てきました。師匠がいない中、大きな会を一人で開かなければならないのは大変だろうということもあり、少し先に延ばしてもいいかと思っておりました。

 その時、思い出したのは、祐子師匠の「名披露目は必ず弾く!」発言です。当時96歳、めちゃくちゃお元気ではありましたが、

 これは先延ばしするわけにはいかない、ええい! やらなければ!

 なかなかハードでしたが、あのタイミングで名披露目の会が開けてよかったと今でも思います。弟子入りの時と同様に、結果として祐子師匠に背中を押していただいた形に。

最高年齢曲師大活躍!

 入門当初から、この素晴らしい祐子師匠の個性が世に出たら、人気が出るのになーとか、祐子師匠の話を誰か書き残してくれないだろうか、と思っていて、いろいろなところで口に出していました。その祐子師匠の個性を世に知らせたいと思い、名披露目後、2019年に初めて企画した会が「玉川祐子の会 ~九十七歳人生を語る」という会です。

 この会にご来場いただいた、杉江松恋さんからお声がけいただき、なんと本(『100歳で現役! 女性曲師の波瀾万丈人生』光文社刊)になることに!

 いやー、なんでも口に出してみるもんだなぁ、と思いました。その頃から口に出していますが、いまだ実現されないことをもうひとつ言っておきましょう。ぜひ祐子師匠をヒロインのモデルにした朝ドラを。もし、小そめ役があるようでしたら、綾瀬はるかさんでお願いします(まったく共通点はありませんが……とりあえず言っておきましょう)。

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 100歳を過ぎてからの人気っぷりは皆様、ご存じの通り。人気が出るとは思っていましたが、これほどとは! 『徹子の部屋』が放映されたら、ますます人気が出ちゃうなぁ。