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映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第33回

映像思考で編む、新世代講談 田辺一記(後編)

田辺一記 近影(墨亭にて)

瀧口 雅仁

執筆者

瀧口 雅仁

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軍談の魅力

一記 田辺派の講釈師として、本をいただいて、そのままやるんではなくて、自分で工夫するようにと言われています。それを直接言われた記憶はないんですが、前座の間は工夫する余裕はなくて、ほぼそのままやっていました。ただし工夫ではありませんが、違和感を覚える部分は直していました。

一記 はい、緊張しましたが、途中で止まらずにやった記憶があります。3~4回目に読んで慣れてきた頃が危なくて、絶句してしまいました。

一記 師匠からいただいた『臆病弥八郎(おくびょうやはちろう)』です。修羅場もあって、滑稽なところがあるのが好きなんです。あとは『真田の入城』も同じように、軍談、修羅場調子でありながら笑えるところがあるのが読んでいて気持ちいいんです。

一記 軍談修羅場は好きです。いまだに調子はどうなんだろうと、自信がないままに読んでいます。師匠が新作を読まれる時に、オリジナルの修羅場を入れるじゃないですか。あれはやってみたいですね。

一記 師匠は歌うのが好きですから、うまく読まれます。私は音感が……。歌もカラオケに連れて行ってもらうと、一応は歌うんですが、のっぺりとした感じになってしまうんです。音痴とまではいきませんが、メリハリもなくて、どこか中途半端なんです。

一記 主に高田渡と中島みゆきを唄います。

一記 『値上げ』や『銭がなけりゃ』『自転車に乗って』です。『値上げ』は聞いている人が「な~んだ」とウケますし、オチがあって楽しい。中島みゆきは母親が好きで、地元群馬でのコンサートにも行きました。声が低めなので、私にも歌いやすいんです。