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講談への情熱は今も変わらず 一龍斎貞寿(後編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」第10回

講談の魅力をもっと広めたい!

貞寿 個人的な意見ですが、特に講談協会の前座さんたちにはぜひ勉強に来てもらいたいんです。(神田)愛山先生、(神田)茜先生をはじめ、協会の違う先生方の高座を、ぜひ勉強してもらいたい。講談協会の前座さんが日本講談協会の先生方の話を聞ける機会は非常に少ないんです。私は入門前、両協会の講談会に足しげく通っていました。その経験が今では大切な財産になっています。

 講談協会と日本講談協会では、協会全体のカラーが違います。同じ演題でも着目点が違っていたり、工夫している点も異なったり。勉強になることが沢山あると思うんです。若手は沢山の可能性があるし、沢山講談を聴いて、沢山経験を積んでもらいたい。そのための労力は惜しまないつもりです。

貞寿 私が所属している講談協会に目を向ければ、バラエティ豊かで、ネタばかりでなく、話し口や張り扇の叩き方と個性豊かで、若手も各々が個性を伸ばせる環境にあると思っています。最近では「軍談ウィーク」といった企画も開かれたり、これまでには見られなかったような雰囲気がお客様の中にも漂いはじめています。同世代を見ても、(一龍斎)貞橘兄さんや、(神田)春陽兄さん、(宝井)琴鶴さんや、(田辺)銀冶さん……。みんな個性があって魅力的だし、精力的に活動もしていて本当に頼もしい。

 今までは、上の先生方の背中しか見てこなかったんですが、そろそろ自分たちが後輩たちに背中を見せる番になってきているのかなと思う時があります。先輩たちからの教えを後輩たちにつないでいくこと。そして、師匠はじめ偉大なる先輩たちを支えていくこと。時代は変わっても、伝承していくことの重要性を強く感じるようになってきています。若い世代にとって魅力ある講談界にしていければ、そこからまた看板が生まれていく。そのためにできることをやっていきたい。

 そして、同時に私自身の芸も磨いていきたい。芸人は、芸があって初めて芸人。私は、芸人として講談界を引っ張っていける一人になりたい。そう思います。講談が好きすぎて講談界に入ったので、他に好きなものがないんです。今も変わらず講談が大好きです。だから、もっと多くの人に講談を見てもらいたいですし、大好きな講談を後世に残していきたい。後輩にも育っていってもらいたいですし、今のベテランの姿も見てもらいたい。そんな講談界の力になりたい。そのためにもっと力をつけていきたいと思っていますので、これからもどうぞよろしくお願いいたします!

墨亭にて、六代目一龍斎貞丈筆の屏風の前で
 (貞寿・提供)

(以上、敬称略)

講談師 一龍斎貞寿オフィシャルブログ

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9/24・25「貞花・貞心兄弟会~広小路亭講談界特別企画公演」お江戸上野広小路亭

(了)