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会という名の作品

「噺家渡世の余生な噺」 第13回

会という名の作品

舞台で自らハネ太鼓を叩き、お客様をお見送りする筆者

柳家 小志ん

執筆者

柳家 小志ん

執筆者プロフィール

続いてきた流れ

 2026年4月29日、深川江戸資料館小劇場(定員300名)で、「第3回 柳家小志ん独演会」を開催した。お陰さまで満員札止め。これで三年連続の満員御礼となった。よく主催者やイベンター(興行主)から依頼されて開く会を「独演会をやります」という噺家がいる。だが私からすれば、それは違う。それは――「やってもらいます」だ。会場を押さえ、番組を組み、責任を背負って、初めて「やる」と言える。そう思っている。

 第1回は2024年。芸歴20周年の節目として、同じ会場で開催した。ゲストは師匠、柳家さん喬。この会で満員札止めが出せたら、翌年は親子会にしよう――そう心に決めていた。結果は満員。2025年は、江東区文化センター大ホール(定員500名)で親子会を開催した。来場は350名。満席ではない。だが私は前回の定員300名を上回った時点で満員御礼とみなしてもいいだろうと勝手に自分に許しを出した。以前、ある方に言われた。「空席を数えるな。来てくれた人に感謝しろ」――その言葉を今回は少しだけ都合よく、拝借した。

 そして今年。ゲストに九代目林家正蔵師匠を迎え、満員札止めとなった。三年分の満員の客席写真をSNSに上げていたら、ついに「AI生成ではないか」と言われた。時代である。仕方なく、今回は動画も添えた。

 「柳家小志ん廻し」という会も続けている。独演会が諸先輩を迎える“表の会”なら、こちらは同輩との“裏の祭り”だ。いわば、小志んフェス。独演会では客席を背に記念撮影をするが、こちらは出演者全員が高座に並び、お客様に撮っていただく。少しだけ距離が近い。どちらの会も内容としては充実していると自負している。