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2026年5月の最前線 【後編】 (聴講記:大阪・木曜おはよう講談会 / おすすめの講談会)

「講談最前線」 第19回

近々のおすすめの講談会

 講談協会の定席の一つ「津の守講談会」の6月興行では、神田春陽による『徳川天一坊』を三日間連続で楽しめる。

 春陽は2019年(令和元年)から、向じま墨亭で「徳川天一坊の会」を毎月開催し、「60歳までは繰り返し読む!」と、“講談界の秘宝”こと神田愛山もその意気込みを買っている会に挑んでおり、現在は全20話の4巡目に突入している。

神田春陽の高座姿

 この『徳川天一坊』は、江戸は享保年間に実際に起きた「天一坊事件」を元にした大岡政談の一つで、山伏であった天一坊改行が八代将軍徳川吉宗のご落胤(ごらくいん)であると称して、幕府を乗っ取ろうとした事件を扱った物語。得意にした初代神田伯山が〈天一坊で蔵を建て〉と言われたほど評判を呼んだ、いわば神田派のお家芸の一つである。

 演者によって切れ場は異なるが、春陽の読む小題は、以下の通りである。今回、6月1日(月)~6月3日(水)の定席で読むのは、①~③の物語の皮切りの部分。さて、どんな話がスタートするのか。

 
 ① 生い立ち
 ② 伊予の山中
 ③ 天忠坊日真
 ④ 山ノ内伊賀之亮
 ⑤ 大坂の巻
 ⑥ 三枝金三郎
 ⑦ 名君と名奉行
 ⑧ 越前登場
 ⑨ 越前閉門
 ⑩ 閉門破り


⑪ 閉門御免
⑫ 召し立て再吟味
⑬ 網代問答
⑭ 英昌院
⑮ 紀州調べ(上)
⑯ 紀州調べ(下)
⑰ 越前切腹
⑱ 伊豆味噌
⑲ 龍の夢
⑳ 召し捕り ~大団円

 「でも、平日昼間の開催だからな……」という方にも安心。聴き逃しても、向じま墨亭で毎月「徳川天一坊の会」を開催しており、5月30日(土)に⑰の「越前切腹」、そして6月27日(土)に⑱の「伊豆味噌」が読まれる。

 「でも、いきなりクライマックスなの?」と思われるかもしれないが、毎回、簡潔にあらすじを配してから本題に入るので大丈夫。しかも、秋頃からはまた5巡目に入り、①から始まるので、まずは今回の「津の守講談会」から『徳川天一坊』の世界を体感するのはいかがであろうか。

 詳細は、講談協会の公式ホームページ(https://kodankyokai.jp)にて。

(以上、敬称略)

(毎月13日頃、配信予定)