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5月5日は、自転車の日

「かけはしのしゅんのはなし」 第12回

 皆さんは、初めて自転車に乗れた時のことを覚えていますか?

 私は小学生の低学年で自転車の補助輪が取れました。その時の光景はありありと覚えています。

 誕生日に買ってもらった黄色の自転車を父と一緒に休日のたびに近くの公園で練習していました。最初は補助輪がついているから、ペダルの漕ぎ方を覚えて得意げに走り回っていた姿を見て、父が補助輪をとりました。

 これまでと違って、まったくバランスがとれずに何度も何度も転んでしまう私。しまいには父に向かって「なんで今までは楽しく漕いでいたのに、こんな思いをしなければいけないんだ」と文句を言って、再び補助輪をつけるように要求したことを覚えています。

 それでも辛抱強く練習に付き合ってくれて、初めて一人で補助輪なしで自転車を漕げた時は、新しい世界の扉が開いて目の前がパーッと明るくなった感覚でした。私が初めて味わった成功体験だったと思います。

 その日から約30年経ちました。今、6歳の娘の自転車の練習をしています。

 最初はおっかなびっくりペダルを漕いでいたのですが、次第に感覚をつかんで徐々に遠い場所に行きます。なだらかな坂に差し掛かった時に、そろそろブレーキの使い方を習得したほうがいいだろうと、一人で進むように言いました。

 「わかった!」と元気良く返事をしましたが、上手くコントロールできなかったのでしょう、「いっかい止めて!!!」と娘が大きな声で叫びました。

 自転車を止めたら「どうしてこんな思い、しなければいけないのよ! パパと一緒に自転車乗りたくない!!!」と怒られました。

 それ以来、自転車の練習をしようかと誘っても「やらない!」と拒否されます。そこまで言わなくてもと思いながら、私も父に同じようなことを言いましたし、順繰りなんでしょうかね。

 お天道様は見ています。

春風亭かけ橋 X

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(毎月18日頃、配信予定)

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