2026年9月の最前線 【後編】 (講談『太閤記』小考⑥ / 9月・10月のおススメ講談会)

「講談最前線」 第27回

9月・10月のおススメ講談会

① 旭堂南海独演会

 今回、先の聴講記と小考で、なみはや講談協会と『太閤記』を取り上げたとなれば、今回、この会を紹介しないわけにはいかない。

 旭堂南海が大阪でも東京でもなく、秀吉ゆかりの尾張国は中村郡で『太閤記』を読む独演会を4ヵ月連続で開催する。会場は秀吉が生を受け、天下統一に向けて動き出した地に建つとされる豊国神社近くの中村文化劇場。この地で『太閤記』を聴かずして、どこで聴く!というシチュエーションでの会である。

 9月25日に開かれる1回目の会で南海が読む演目は、「中村にて誕生! そして大志を抱く」。文字通り、秀吉の誕生物語だ。講談の『太閤記』で秀吉はどのような描かれ方をするのか。そして、いよいよ終盤戦に突入した大河ドラマ『豊臣兄弟!』の復習?などなど、色々な形で味わえること必至だ。

 10月の会は「信長に仕官! そして弟小一郎を誘う」、11月は桶狭間の戦い、12月の会は稲葉山城攻めと、秀吉が世に出るまでの地である尾張や美濃を舞台にした演題が並んでいる。

 上方講談界の屋台骨であり、重厚な物語を、時に逸話や脱線話を挟みつつ、軽快な読みで読み聞かせる旭堂南海の『太閤記』だけに、面白くて楽しめること間違いなし。

 前講は南海門下の若手ホープ・旭堂一海と、名古屋をベースにして活動している旭堂鱗林と旭堂左燕が務める。しかも2000円で楽しめるなんて……。そんな贅沢な会に足を運んでもらいたい。