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「座布団の片隅から」 第18回

 ここまで、散々偉そうに語ったが、僕のいる落語業界の市場は、格闘技とは比べものにならないぐらいニッチだ。そう、落語は世間のほとんどの人に知られていない(笑)。

 ただ、『笑点』のおかげで、ありがたいことに「落語家」という存在は広く世間に知れ渡っている。本当に『笑点』はすごい。先日、BS日テレの『笑点 特大号』に出演させていただいたのだが、地元の九重町(ここのえまち)で大変に喜ばれた。僕の地元では、「落語家=笑点」なのだ。

 しかし、落語家の存在は世間に知られているのに、なぜ落語はこんなに知られていないのか? これは本来の落語という芸と、『笑点』の内容とのギャップが大きいことに原因があると思う。

 そうか! 考えてみると、落語版『BreakingDown』は、『笑点』なのかもしれない(笑)。技術や芸の奥行きが魅力だが、初心者には伝わりにくいコンテンツの“おいしいところ”を抽出・要約する! 昔から落語界には、激熱バズりコンテンツがあったじゃないか!

 落語の要素の一つである、言葉遊びやキャラクター性の面白さ。これを「座布団を取り合う」という競技に乗せることで生まれる、数々の人間ドラマ。……でも、『笑点』は過激さを売りにする番組ではないし、大人から子どもまで見られる安心安全な番組だから、『BreakingDown』とはまるで違う! なんだ、気のせいか……。

 ただ、『タイガー&ドラゴン』『昭和元禄落語心中』『超入門落語THE MOVIE』『あかね噺』などのように、『笑点』と落語の間を取り持ってくれるコンテンツがたくさんあるといいなぁ、と最近考えている。

 その点で、『まかない伝』の見せ方は素晴らしい! 見ている人の現代人的欲求も満たしながら、ちゃんとお店のPRになっている。シェフのこだわりや解釈、お店の魅力がドキュメンタリーで伝わってくるので、よりリアルに感じる。プロの料理人の技術にリスペクトを抱くきっかけになるし、何より「店に行ってみよう!」という気になる。

 誰か、落語版『まかない伝』みたいなのをやってくれないかなぁ。師匠から課題の噺が出されて、それに挑むドキュメンタリーみたいなYouTubeチャンネル。前座さんだとさすがに難しいだろうから、二ツ目とか若手真打とかで。

 ……はい? 僕がやるわけないじゃないですか! 自分でできるぐらいなら、噺家になってませんよ!! さ、明日の独演会に向けて、稽古稽古。

 その前に、もう少し『まかない伝』を見よう……。

▼まかない伝 Chef’s Order(YouTube)

(文中、敬称略)

▼三遊亭好二郎 公式Webサイト

https://sanyutei-kojiro.com

▼三遊亭好二郎 X

こーじー好二郎・特別編 その2

  • 日程:
  •  2026年10月30日(金)
  •  開場 18:30 開演 19:00
  • 会場
  •  浅草公会堂 4階 第二集会室(和室)
  •  (台東区浅草1-38-6)
  •  → Googleマップ
  • 出演:
  •  三遊亭好二郎
  • 料金:
  •  予約 2,000円 当日 2,300円
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(毎月7日頃、配信予定)