〈掲載記事400本記念〉 上方講談の伝統を未来へ繋ぐ、継承者にして開拓者 旭堂南華(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第37回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/05/03
「やりたいことは全部やる」南華の現在地
―― 中には、講談に本気で取り組みたいから、やっている人もいるとは思うんですが……。
南華 う~ん、やっぱりプロになるには、修業はいるとは思います。
―― では、やはり、今のままで……。
南華 まぁそうですね、今、特にどうこうとは考えてないです。憎しみがあるわけでもないですし、なるようになるかなという感じです。亡くなりはった(一龍斎)貞山先生も「東京も色々あったけど、自分が高座に上がれればそれでいいんだよ」みたいに言うてはって、「そうか」思っています。みなさんは「一緒に仲良くやった方がいいんじゃない?」みたいに言うんですけど、みんな会を沢山やってますから、好きなとこへ行ってくださいって。
―― 最後に、これからの旭堂南華についてお聞かせください。
南華 思わぬことで会長になって、会長とかそんなことをやる器ではないと思っていたんで、南海が最初から副会長やったんで、次の会長は南海って、南鱗兄さんも思ってたんですね。兄さんも南海にそれを話したら、「姉さんがいてはるんで、まずは姉さんが」ということになったんですけど、なったからにはみなさんのお世話もしたいし、一海はスターになってほしいし、新しい人に入ってきてもらいたい。一海が楽しそうにやってるから、それを見て、入ってきてくれないかなとは思うんですが(笑)。「あなたは出来すぎで、華もありすぎるので、次に入ってくる人はよっぽど素直か、ものすごい覚悟で入って来るか、どちらかや」という話をいつもしています。せっかく法人にしたからには、もっと人も増えて、ちゃんとした活動をしていかなければとも思っています。
それと芸人は座って喋れたらいつまででもできるんで、芸の方では人がやっていない話をやりたい。自分で面白そうと思ったところをやりたい。それが『シン・傾城阿波の鳴門』とか岡本綺堂とかで、そういう話をどんどんやっていきたい。歳もいってきたから、やりたいと思ったことは、なんでも早くやる。この間のお芝居のような他流試合でも、ちょっと前やったら絶対できへんと思うて、絶対断ってたと思うんですよ。でも会長になってからは何でもやって、「なみはや」の名前を出さないとと思うからやったし、そういったことで、もうちょっと大阪で講談の裾野を広げたいですね。
スクールも始めたし、全部やってることはそこへ繋がってきます。「スクールに来るまで講談を一回も聴いたことないけど、なんか喋りたいから来た」という人が講談好きになっていくとか、そういうのでもいい。落語を聴きに来たけど、間で聴いた講談が面白いと思ってもらえて、講談会に来てくれるようになってもうれしいですし、南湖が以前「講談師南湖のベスト10」みたいなネタ10本を考えたいと言ってました。私はまだそこまでいけていないです。新しいネタもやりたい、南華としてももっと聴いてもらいたいという気持ちもあるし、聴いたら「講談って面白いね」って言ってもらいたいですね。なみはや講談協会ともども、旭堂南華の講談会に来てくれはるようになったら、とてもうれしい。

(文中、敬称略)

▼旭堂南華(なみはや講談協会 公式ホームページ)
▼旭堂南華 X
(了)
前回はこちら
編集部のおすすめです(一龍斎貞鏡先生へのインタビュー)
―― 瀧口雅仁『釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編』連載一覧
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