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人に負けないもの

「噺家渡世の余生な噺」 第18回

挑戦する者にしか、味わえない悔しさ

 挑戦すれば、失敗はつきものである。

 うまくいかなければ、笑う者もいる。匿名で批判してくる者もいる。世の中には、自分は一度も舞台に上がらず、舞台に上がった者の失敗をよく見つける人がいる。実に目がいい。その目をぜひ自分の人生にも向けていただきたいと思うことがある。

 だが、挑戦した者にしか味わえない悔しさがある。サッカーでは、PKを外す悔しさは、PKを蹴る勇気を持った者にしか訪れない。外したくなければ蹴らなければいい。失敗しなければ、笑われることもない。だが、それでは何も始まらない。

 私自身、人に負けないものがあるとすれば、何かに挑戦し続けようとするところくらいだろう。もちろん成功ばかりではない。思いついた企画が実現しないこともある。準備に時間をかけたのに思ったほどの結果が出ないこともある。それでも、また次のことを考えてしまう。

 懲りない性分なのだろう。以前は、失敗したときに自分の力不足を認めるのが嫌だった。歳を重ねた今も悔しくないわけではない。ただ、失敗を恐れて何もしなかった自分を想像すると、そちらのほうがよほど寂しい。