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ぼくはさんさい

「ずいひつかつどお」 第9回

ぼくはさんさい

絵・フジマリ

立川 談寛

執筆者

立川 談寛

執筆者プロフィール

 拝啓 皆様お久しぶりです。

 先月はお休みをいただいたので、実にお久しぶりなのです。思い出すと昔『ボキャブラ天国』というテレビ番組の中で、お久しぶりの洒落で「お刺身ブリ」というのがありましたね。少し古風な言い方で「久方ぶり」とも言うこともありますが、こちらと「お刺身ブリ」では洒落っぽくなりませんね。

 どうにか音だけ近づけて「人型ブリ」としましても、一体「人型ブリ」とは何なのかわかりませぬね。決戦兵器かミュータントか、はたまた改造人間なのかしら。どうしても答えをば知りたければ、何らかの有識者に聞いてみるしかないでしょうね。もう1つ思い出しましたが、ダンディ坂野さんのギャグで「お久しブリーフ」というのもありました。

 季節の変わり目です、ご自愛ください。 敬具

 春は曙、夏は小錦、秋は寺尾、冬は魁皇。誰かが昔、そんなことを言っていた気がする。そしてそれは自分だった気もする。寒い冬が終わって、雪が溶けて川になって流れていく。つくしの子が恥ずかしげに顔を出す、そんな季節となった。関東近郊では桜も満開となり、川沿いや並木通りを歩くのがとても楽しい。心なしか、道ゆく人々の顔も朗らかな気がする。春、桜には、日本人を癒す作用を持つ、何らかの光線みたいなものがあるのかもしれない。

 人間の体を作っているのは、食べ物である。毎日の食事が血となり、肉となり、骨となるのだ。炭水化物、タンパク質、食物繊維、その他ビタミン、ミネラル、カルシウム、スペシウムが生きるために必要であり、霞(かすみ)を食べてどうにかなるのは仙人だけなのだ。さらに言うなら、なるべく旬のものが良いとされている。春キャベツ、新玉ねぎ、鰆、鯛、アサリ、たけのこなどは今が食べごろだ。中でも、たけのこは春を代表する食べ物と言っても過言ではない。たけのこご飯に、たけのこの土佐煮、たけのこ炒めと色々ある。

 アニメ『美味しんぼ』では主人公の山岡士郎が「最高の刺身を食べさせてやる」と言って会社の人たちを山に連れて行き、たけのこの刺身を食べさせるシーンがある。フィクションなので部長も係長もみな喜んで食べるが、流石にこればかりはブチギレてもいい案件だと思う。たけのこも美味しいが、刺身と言われれば、やはり魚がいいに決まっている。