初夢で逢えたら
「マクラになるかも知れない話」 第六回
- 落語
三遊亭 萬都
2026/01/24
題字:三遊亭萬都
誰にも話せなかった初夢
あけましておめでとうございます。
本年も、三遊亭萬都の「マクラになるかも知れない話」を引き続きご愛顧いただきますよう、よろしくお願いいたします。
当エッセイは、毎月25日あたりに更新されますので、なんとも今さらな挨拶ではございますが、ひとつご勘弁のほどを願います。
というわけで三遊亭萬都です。
好きなゲームは、「がんばれゴエモン3 獅子重禄兵衛のからくり卍固め」です。
今回のテーマは「初夢」。
まず、よく聞く議論で「初夢は、いつ見る夢なのか」というものがありますが、大晦日に見る夢がそうだとか、いやいやそれだと時間的に前年中に見る夢になる人も出てくるから、1月1日から2日の夜に見る夢こそ新年一発目の夢だからこっちだとか、旧暦だと立春の前日に見る夢のことだとか。
これ、どれでもいいんだそうです。決まってないんですって。
あの論争は何だったんだ、という気持ちになりますよね。各自で「ここだ」と決めてしまっていいそうです。ということで、私は大晦日に見る夢を初夢としています。だいたい日付が変わってから寝ますので。
また、初夢は「これを見ると良い」というものが決まっています。多くの方がご存じなのは「一富士 二鷹 三茄子」でしょうか。これは続きがあって「四扇 五煙草 六座頭」というそうですが、私はこのうちのどれも夢に見たことがありません。
落語ご通家の読者諸兄におかれましては、ご存じの方もあるかと思いますが、「一目上がり」という落語がありまして、その中に「なかきよのとおのねふりのみなめさめ、なみのりふねのおとのよきかな(長き夜の遠の眠りの皆目ざめ、波乗り船の音のよきかな)」という台詞が出てきます。
これは、上から読んでも下から読んでも読み声が同じになるというめでたい文句で、この台詞を声に出してから眠ると良い夢を見ることができるのだそうです。
さあここまでの文章を読んでどう思いますか、皆さん。私には、皆さんの気持ちが手に取るようにわかりますよ。本当です。皆さんこう思っているでしょう。
「12月のエッセイで書けよ」
ね? 思ったでしょ。ちなみに、私もここまで書いて、同じことを思いました。奇遇ですね。というわけで、お忙しくない方は来年まで覚えておいてください。
さあ、今回のテーマ「初夢」ですが、私の2026年の初夢は、覚えていません。
入門してから今日まで初夢をひとつも覚えていないか、そもそも見ていません。前座時代の正月は、それどころではないのです。また、二ツ目になって迎える正月は、嬉しくてそれどころではないのです。
ということで、私が高校生くらいの時に見た、忘れられない初夢の内容をここに記そうと思います。
そもそも、夢の話はいくらでも作れるので、「それ本当に見たの?」などという疑問がつきものです。そのため、人前で夢の話をすることはありませんが、今からする夢の話は本当に私が見た夢です。
信じる、信じないはお任せしますが、どこで話すこともできずにいる、しかし忘れることのない私の不思議な初夢にひとつ、お付き合いください。
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