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なつさんさようなら

「ずいひつかつどお」 第13回

なつさんさようなら

絵・フジマリ

立川 談寛

執筆者

立川 談寛

執筆者プロフィール

 一年で一番苦手な季節、夏が終わった。

 わーいわーいバンザーイバンザーイバンザーイ。

 こんなめでたいことはない。もう来年まで熱中症の心配はないのだポヨ。よーしフリース着てサウナ入りながら熱々のポトフを煮込むポヨ、いえーいベイベー、嬉しいポヨ。

 おっと危ない。浮かれすぎて語尾がポヨになってしまったポヨ。直さなくてはいけないポヨね。

 それにしても語尾がポヨになるキャラクターって何だったポヨか。まったく思い出せないが、楽しそうな雰囲気が伝わる気がするから良いポヨね。ポヨポヨポヨー……いい加減、怒られるからやめておこう。

 誰に怒られるかはわからないが、何かに怒られそうだ。

 ともかく夏が終わって良かった。夏なんていいところが一つもないのだから。

 現代においては人や物、動物、事象などなど、とにかく傷つけるようなことを言ってはいけないとされている。

 昼の居酒屋なんかに行けば、くだを巻いた酔っ払いがコンプライアンスなど気にせず喋っていたりするのだが、それはまた別物らしい。裸の王様が何人いても「王様は裸だ」と言えない世の中なのだ。

 一昔前は、裸の王様を叩くのが主流ではあった。

 今は、裸であることが『裸の服を着ているだけではない』と考えられ、その理由をみんなで探し合っている。みんなが探してるくらいだから、何か深い理由があるのだとさらに深く考えたりする。実際は、ただ裸なだけなのだ。

 ネット環境、主にSNSはヌーディストビーチであり、裸のほうが正しくなってしまったのだ。

 さて、何だかそれらしいことを書いているが、実はそうではないと白状しよう。正直、ただ前置きがほしかっただけなのだ。

 夏の悪口ばかりあげつらってるが、夏にいいところは本当にないのか。悪いところじゃなく、いいところを見つけるのが大事じゃないか。

 そんなふうに夏のいいところを伝えられたら素晴らしい、そんな時こそ野の花の健気な心を知るのです。

 お、おにぎりがほしいんだな。