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ありがとうございました、龍玉師匠 ~112席の宝物

月刊「シン・道楽亭コラム」 第18回

ありがとうございました、龍玉師匠 ~112席の宝物

画:とつかりょうこ

シン・道楽亭

執筆者

シン・道楽亭

執筆者プロフィール

あの日、龍玉師匠に心を奪われた

 みなさま、こんにちは。シン・道楽亭の共同席亭、服部晶代です。

 2026年(令和8年)6月11日、私が大好きだった三代目蜃気楼龍玉師匠が、突然この世を去りました。ご逝去の数日前には、独演会で長講をしゃべられたばかりだったのに。

 落語を聴くようになって十数年、私の中では柳家小三治師匠の死去に並ぶ衝撃の出来事でした。

 「龍玉」というお名前を知ったとき、「あ、ドラゴンボールだ」と思いました。世界中に散らばった七つの球をすべて集めると、どんな願いも一つだけ叶えてくれるという秘宝、ドラゴンボール。漫画『ドラゴンボール』を描いた鳥山明先生は、愛知県出身の筆者と同郷。私の連れ合いは、鳥山明先生と高校の同窓。そのため、何か身近な縁を感じたものです。

 龍玉師匠の落語を最初に聴いたのは、2020年(令和2年)5月、AbemaTVでの「大仏餅」でした。

 こんなにすごい落語家がいるのかと驚き、さらに道楽亭(現シン・道楽亭)の配信で「圓朝に挑戦!」というシリーズを観て、「親子酒」と「栗橋宿」のギャップに仰天、これはぜひ生の高座で聴きたい!と思いました。

 初めて生で聴いた龍玉師匠の高座は、2020年9月下席、鈴本演芸場での主任興行・千秋楽の「やんま久次」。最後に聴いた高座は、2026年5月23日、なかの芸能小劇場での「鼠穴」。

 6年弱の短い期間ですが、私が聴いた龍玉師匠の高座・全112席を振り返り、私なりに思ったことを記していきたいと思います。