ふるい毛と かわを巻き込み はがす音
「朝橘目線」 第8回
- 落語
三遊亭 朝橘
2025/12/08
湿布を自分で貼ると、こうなる。そして貼るといえば、シール……
古池や 蛙飛びこむ 水の音
(ふるいけや かわづとびこむ みずのおと)
―― 松尾芭蕉(蛙合)
妻に聞いてみた
この連載が始まって、8回目。
毎月28日締め切りで原稿を提出すると、見やすいように編集してもらって、掲載されるのが翌月の8日。以前、ラジオ番組のレギュラーをやっていたことがある。その時、私を起用したラジオマンは「スケジュールが不規則なアーティストこそ、規則的な仕事をやったほうが良い」が持論だった。
曜日の感覚すら曖昧になりがちな稼業は、油断するとすぐに世間ずれしてしまう。あまり生活感丸出しなのも夢がないが、浮世離れが過ぎると、自分の作品を鑑賞してくれる世の中の皆様と、価値観を共有できなくなってしまう。
アーティストこそ社会人たれ。ジャイアント馬場さんが自分の弟子たちに「プロレスラーは社会人たれ」とよくおっしゃっていたらしいけど、多分同じこと。破滅型の芸人なんて、今はもう流行らないだろう。そうならないためにも、会社勤めの方々が毎朝出社するがごとく、ルーティーンワークを生活に取り入れるべきである、ということ。
残念ながら、ラジオのレギュラーは既に終了している。高校生の頃からのラジオ好きなので、またぜひそういう機会があればと切望している。現状、規則的に進行しているのは、この連載だ。私が世間ずれしないための道標、この広い世の中で漂流しないための錨のような存在である。感謝の念でいっぱいだ。
その上で思う。締め切り来るの早いんだよ!
こないだ書いたばっかだと思ったら、もうかよ! 海底にしっかり刺さった錨がびくともしない。原稿上げないと、海中から脱出できない。引田天功かよ。
こういう時、お題を投げられると助かることがある。妻に「何書いたら良い?」と聞いたところ、「最近足りてない、私への感謝じゃないの?」
――却下!
他人事ではないが、その手の夫婦間の口論なんて、世の中には腐るほど転がっている。近いから摩擦が生じる。でも隣にいるから、背中を預けられるからこその良さだって、ちゃんとある。
昨今は結婚したがらない、一人のほうが気楽で良いや、という思考の方が多い。もうちょい我慢すりゃいいのに、熟年離婚をする人も増えている。
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