浦安の風が吹いている
「浪曲案内 連続読み」 第11回
- 浪曲
東家 一太郎
2026/05/20
時を越えて繋がる縁
今回の企画展と合わせて3月28日、浦安市民プラザwave101の大ホールで、「しんうら寄席 特別編 浦安の人々を魅了した大衆芸能」という公演がありました。東家一太郎、曲師・東家美は、講談の田辺鶴遊先生とともに出演したのですが、昨年12月24日にお亡くなりになった曲師・伊丹秀敏師匠も元々ご一緒に出演の予定でした。
秀敏師匠は、伊丹秀子先生の愛弟子です。おそらくお若い時に伊丹先生と浦安亭に行かれたこともあると思いますし、
「楽浦師匠の一行で、お兄ちゃん(伊丹秀夫師匠)と浦安亭に行ったことがあるわ。(二代目)浦太郎さんも一緒だったと思うよ」
とおっしゃっていました。浦安亭に出演したことのある数少ない現役の師匠ですので、博物館の担当の方も木馬亭定席に秀敏師匠にご挨拶にいらしてくださいました。昔の浦安亭の思い出も、公演の際に浦安亭近くにお連れすれば、秀敏師匠も色々と思い出して、対談コーナーで珍しいお話を伺えるかな。楽しみにしていましたので、実現叶わず本当に残念でした。

博物館の方も心残りに思ってくださり、企画展には伊丹秀敏師匠を偲ぶコーナーを作っていただきました。博物館で、芸人の展示をしていただける機会などなかなかないことと思いますので、さすが名人・伊丹秀敏です! 愛用の着物や三味線の撥(ばち)、駒なども飾られました。
伊丹秀子先生から弟子の秀敏師匠へと続く、浦安亭のご縁。孫弟子の東家美が浦安亭を懐かしむ舞台に立たせていただけましたのを、伊丹先生も目を細めていらっしゃるように感じました。

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浦安亭ができましたのは 明治の43年で
その3年前の年 浪界中興の祖と云われます
桃中軒雲右衛門が 本郷座へと進出する
世は浪花節の 新時代
浪花節が気楽に楽しむ寄席の演芸から、大舞台での興行の道にも枝分かれしていくという分岐点の時期に建てられたのが浦安亭。
「浦安町誌」に
―― 漁師町なので気が荒く、上手な演技に対してはおしげなく拍手を送るが、演技が下手だと静かに観覧するということがなく、騒いでやらせないからである。町民性がよくうかがわれる。
と書かれるくらいの町民の皆様に長い間愛された浪花節語り、浪曲師はおそらく寄席読みと云われるような、芸達者な師匠たちだったと思います。
初代浦太郎と二代目浦太郎の師匠、東家楽浦。港家小柳、京山恭為、木村重正、木村松太郎、わかの浦孤舟、東小武蔵、浪花家辰造などの名前がゆかりの演者に見られます。
特に楽浦師匠は人気があったようです。名前に浦安の「浦」の字が入っているから。というのも、もしかしたら大きな要因の一つだったかも知れませんが、やはり芸ゆえのことでしょう。浦安の河岸に三軒お店を持っていた内三(うちさん)こと内田三之助さんからテーブル掛けを贈ってもらったそうです。そういう貴重な品がいま残っていたらいいのですが、一体どこへ行っちゃったんでしょう。

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