NEW
浦安の風が吹いている
「浪曲案内 連続読み」 第11回
- 浪曲
東家 一太郎
2026/05/20
厳しさと温かさ
「浦安の人々を魅了した大衆芸能」公演本番では、初代浦太郎が昭和26年(1951年)1月3日に浦安亭で務めたと記録に残る「野狐三次 木ッ端売り」を東家一太郎、曲師・東家美、務めました。真ん中の客席には、浦安亭の興行を手伝っていらした家族の皆様が座っていらっしゃいます。浪曲を進めるうちにわかってきました。昔の師匠方が、口を揃えて浦安、浦安と云っていた意味が!
節の良いところでは、他の会場とはひと味違うタイミングで、浪曲を唸っている私がスッキリしてしまうような、きれいな掛け声をお客様が掛けてくださる。啖呵(セリフ)の盛り上がりでも、万雷の拍手をしてくださる。楽浦師匠が音源で語っていたような、お客様の聞き方を感じました。
模型で見て来た浦安亭の舞台の上で、自分が浪曲を務めている気持ちに、ふっとなりました。目の前で笑顔で聞いてくださるお客様たち。目線を上げると、あるはずのない二階席が見えてきます。浪曲を温かく見守ってくださるお客様からは、昔の浦安の空気がまだ漂って来るように感じました。
漁師町浦安の厳しさは、「お客様が芸を大事にしてくださる、その温かさゆえの厳しさ」と理解できました。
大師匠の東家楽浦から時を経て「お客様あっての芸だよ。芸人が甘んじてはいけない。お客様とともに芸はある。どのような形でもお客様を大切に」と教えていただいた気がしました。そして、「あれっ、浦安の海から強い風が吹いて来たな。浦安の風が吹いている」と思ったら、それはエアコンの強風だったのです。
![]()
昭和40年(1965年) 浦安亭は
55年の 役目を終えて
閉館し 取り壊される
日本浪曲協会からは 50年目のお祝いに
浪曲興行五十年を 表彰し
記念の額が 贈られた
その五年あと 昭和45年(1970年)
重鎮 東家楽浦は 浅草木馬館 席亭に
浪曲の寄席を 打診して
続いてまたもや 55年
浪曲定席木馬亭は 浅草の地で 今なお続く
明治43年から昭和40年まで、浪花節、浪曲全盛の時代をともに生きた浦安亭。その後の浪曲低迷期を乗り越え、平成令和と生き続けている木馬亭。合わせて110年。浪曲史の貴重な証言者です。

いま読まれています!
シリーズ「思い出の味」 第6回
茶色いうどん
~自分の未来を見つめる8歳の少年
三遊亭 ごはんつぶ
2025/06/25
「浪曲案内 連続読み」 第11回
浦安の風が吹いている
~かつて浦安にあった寄席と浪曲師の物語
東家 一太郎
2026/05/20
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「令和らくご改造計画」
第十話 「オチログ」
~前座が作った落語家レビューアプリ「オチログ」を巡る狂騒。ブラックユーモア満載の笑撃作!
三遊亭 ごはんつぶ
2026/05/15
「くだらな観音菩薩」 第13回
願成就院の毘沙門天
~運慶が作った仏像に心が震えた、きく麿師匠。その一方で「有名だから、凄いと思うのか?」と自分に問いかける…
林家 きく麿
2026/05/16
シリーズ「思い出の味」 第11回
食べ物が詰まった、師匠桂三金の思い出と棺桶
~焼肉は落語
桂 笑金
2025/08/17
シリーズ「思い出の味」 第5回
じゃがいも
~奇跡のじゃがいも、衝撃の美味さ!
立川 談寛
2025/06/23
月刊「シン・道楽亭コラム」 第13回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.3
~橋本さん亡き後に立ちはだかった超大型の壁
シン・道楽亭
2026/05/10
シリーズ「思い出の味」 第4回
煮物の記憶とイカの国
~今も大切な祖父母との時間
柳家 花ごめ
2025/06/13
「令和らくご改造計画」
第一話 「危機感をあなたに」
~笑撃のストーリーが今、始まる!
三遊亭 ごはんつぶ
2025/08/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
シリーズ「思い出の味」 第6回
茶色いうどん
~自分の未来を見つめる8歳の少年
三遊亭 ごはんつぶ
2025/06/25
「令和らくご改造計画」
第十話 「オチログ」
~前座が作った落語家レビューアプリ「オチログ」を巡る狂騒。ブラックユーモア満載の笑撃作!
三遊亭 ごはんつぶ
2026/05/15
「くだらな観音菩薩」 第13回
願成就院の毘沙門天
~運慶が作った仏像に心が震えた、きく麿師匠。その一方で「有名だから、凄いと思うのか?」と自分に問いかける…
林家 きく麿
2026/05/16
「講談最前線」 第19回
2026年5月の最前線 【後編】 (聴講記:大阪・木曜おはよう講談会 / おすすめの講談会)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/05/14
「噺家渡世の余生な噺」 第13回
会という名の作品
~三年連続・満員御礼。自ら企画する自主公演の舞台裏と感謝を率直に綴ったエッセイ
柳家 小志ん
2026/05/14
月刊「シン・道楽亭コラム」 第13回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.3
~橋本さん亡き後に立ちはだかった超大型の壁
シン・道楽亭
2026/05/10
「講談最前線」 第18回
2026年5月の最前線 【前編】 (聴講記:大阪・連続講談千鳥亭 / 講談『太閤記』小考②)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/05/13
「浪曲案内 連続読み」 第11回
浦安の風が吹いている
~かつて浦安にあった寄席と浪曲師の物語
東家 一太郎
2026/05/20
シリーズ「思い出の味」 第1回
21900のいただきます
~師匠との食卓
三遊亭 司
2025/05/13
シリーズ「思い出の味」 第23回
カレーのような草枕
~自由でゆるくて、どこか芯がある。かつて新宿にあった名店の最後を描く、愛おしい物語
田辺 一記
2026/04/21
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「座布団の片隅から」 第13回
声優
~話題の人気アニメ『あかね噺』で声優デビューさせていただきました!
三遊亭 好二郎
2026/05/07
月刊「シン・道楽亭コラム」 第13回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.3
~橋本さん亡き後に立ちはだかった超大型の壁
シン・道楽亭
2026/05/10
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第13回
芸人、変な人多い
~宇宙一の美人浪曲師が綴る、愛おしすぎる芸人日記
東家 千春
2026/05/03
シリーズ「思い出の味」 第6回
茶色いうどん
~自分の未来を見つめる8歳の少年
三遊亭 ごはんつぶ
2025/06/25
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第11回
談志師匠の最後の弟子! 立川談吉 改メ 立川談寛師匠真打昇進披露パーティー
~真打昇進披露パーティー体験レポート②
服部 拓也
2026/04/23
月刊「浪曲つれづれ」 第13回
2026年5月のつれづれ(談修・菊春二人会、奈々福の徹底天保水滸伝、孝太郎の記念公演)
~生誕90年。談志師匠と浪曲の絆を追う
杉江 松恋
2026/05/09
「かけはしのしゅんのはなし」 第11回
4月4日は、推し推しの日
~自分がそれを好きだと自認した瞬間に、推しが生まれる
春風亭 かけ橋
2026/04/24
「テーマをもらえば考えます」 第9回
頑張れ!!るるめちゃん!!
~5月11日は、ご当地キャラの日。東久留米の“るるめちゃん”を描いてみよう
三遊亭 天どん
2026/04/30
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第10回
ああ…麗しの吉本興業……
~吉本興業を辞める話なのに、なぜこんなに爆笑してしまうのか!?
桂 三四郎
2026/05/12
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
編集部のオススメ
「ピン芸人・服部拓也のエンタメを抱きしめて」 第11回
談志師匠の最後の弟子! 立川談吉 改メ 立川談寛師匠真打昇進披露パーティー
~真打昇進披露パーティー体験レポート②
服部 拓也
2026/04/23
シリーズ「思い出の味」 第23回
カレーのような草枕
~自由でゆるくて、どこか芯がある。かつて新宿にあった名店の最後を描く、愛おしい物語
田辺 一記
2026/04/21
シリーズ「思い出の味」 第22回
亡き父の味と、鰻に導かれる名人の味
~人生と落語と鰻の不思議なご縁
三遊亭 あら馬
2026/04/20
「くだらな観音菩薩」 第12回
日光菩薩と月光菩薩
~怒りと笑いを行き来しながら、菩薩様のような優しさに辿り着くコラム
林家 きく麿
2026/04/16
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第9回
優雅な航海中の後悔を公開
~“憧れの仕事”から繋がる伏線が鮮やかな船旅エッセイ!!!
桂 三四郎
2026/04/13
「令和らくご改造計画」
第九話 「地獄のモーニングコール」
~落語家は寝すぎ? 働かなすぎ? 前座が仕掛ける“狂気の作戦”とは!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/04/12
「講談最前線」 第16回
2026年4月の最前線 【前編】 (講談協会が一般社団法人として始動へ)
~講談はいつも面白く、そして新しい
瀧口 雅仁
2026/04/11
月刊「シン・道楽亭コラム」 第12回
一粒の麦 ~世界に広がれ、落語の輪 in 名古屋!
~名古屋の演芸文化を支える多彩な人たちの静かな情熱とリアルな声を追ったコラム
シン・道楽亭
2026/04/10
「座布団の片隅から」 第12回
地獄
~春風亭㐂いち兄さん、柳家小はだ兄さん、三遊亭歌彦さんと僕でスキーに行ってきたのだが…
三遊亭 好二郎
2026/04/07
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25