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らじおたいそう

「ずいひつかつどお」 第12回

 ラジオ体操は、国民の体力向上と健康の保持や増進を目的とした、短時間で全身を動かせる運動だ。

 一回約3分ほどで終わるため、手軽に続けやすく、道具が不要で狭い場所でも行える大変な優れものだ。運動不足の人間が始めるには最適といって良いはずのやつだ。

 NHKでは、朝6時30分から放送しているらしい。らしい、というくらいだからやってないな、この口だけ野郎め、だから落語家は信用ならないのだ……と思うかもしれないが、残念ながらやっているし、もう一週間続けているくらいだ。

 もちろん6時30分などという朝早い時間ではない。現代にはYouTubeという便利なものがあるのだ。YouTubeならば時間を気にせずにできるのだぜ、ベイベー。午前9時30分くらいに、ラジオ体操をやっているのさボーイ。ミルクの時間だぜボーイ。

 ラジオ体操第一を数十年ぶりにやってみたところ、意外と覚えていた。子供の頃に覚えたものはなかなか忘れないみたいだ。

 しかし、体は昔のようには動かない。最初にやる背伸びの運動だけで、体のあちこちからパキポキ音が鳴る。鉄琴木琴みたいに良い音が鳴るので、全身が複雑骨折して何か新しい生き物にカタチを変えてしまうのではないかと思った。

 体操の最後、深呼吸をする頃にはフルマラソンでもしたかのように呼吸が荒くなっていた。運動不足とは恐ろしい。この時は果たしてこれを毎日続けられるのだろうかと思っていた。

 思えば子供の頃、夏休みに近所の公園でラジオ体操をやっていた。参加した証のハンコをもらうのが楽しかったのだが、三日坊主なのですぐ行かなくなった気がする。

 そんな人間にこんなハードな、アスリート並みにストイックな運動が続けられるのだろうか心配であったが、現在意外と続けられている。

 ひとえにYouTubeで他の動画に目もくれず、ラジオ体操を再生する私の強靭な精神力の賜物だ。あのハンマー投げ金メダリスト室伏広治も、メジャーリーグMVPの大谷翔平も、私の姿とそのストイックさに感心してヘソで茶を沸かすことだろう。

 その時のためにお茶菓子を用意しておこう。