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らじおたいそう

「ずいひつかつどお」 第12回

 ラジオ体操第一は何とかなった。しかし、第二は手強かった……。

 ほとんどの動きを覚えてないばかりか、第一よりも激しい運動なのだ。手足が引きちぎれるかと思った。いや手足だけではない。腰、肩、角、触覚など普段使わない部位が悲鳴をあげた。ギャぎゃああ。体中の穴という穴から発した絶叫は、マンドラゴラを引き抜くかのようだった。

 まして第一をやった後だ、もう千代の富士、体力の限界である。横綱の偉大さと共に、生まれて初めてメロスが往復した時の気持ちがわかった。もし“メロス落語”なるものがあれば、誰よりも感情を表現できるのに、残念でならない。第二が終わると、真っ白に燃え尽きていた。

 何事も無理は禁物だ。ダイエットでも何でもそうだが、あまり自分を追い込みすぎると続かないものだ。まずは第一のみを続けることにした。

 人間は慣れる生き物、まして日本人は環境に合わせるのが得意だ。最初は地獄の黙示録のように聞こえた音楽も、だんだん心地良くなってきた。この頃では何でもない時に鼻ずさんでいる。

 何せもう一週間も続いている。これを書いている今日などは第一、第二続けてこなしているほどだ。余談だが最近の研究で、メロスは距離的に考察すると走っておらず、早歩きだったそうだ。私はメロスを超えてしまったのかもしれない。

 ラジオ体操をやったとて、一度出たお腹が引っ込むわけではない。お腹の脂肪は一番初めにつきやすく、一番落としづらいものらしい。しかしラジオ体操を続けることは悪いことではないと思っている。

 家系ラーメン屋のカリスマ社長が言っていた。

 「悪い癖はすぐ付くが、良い癖は付きにくい、良い癖が付くように努力しろ」

 なるほど、もっともだ。たかがラジオ体操、されどラジオ体操。戦前からあるものだが、いまの今まで続いているもので、決して悪いものではない。体が動くよう、落語のためにいつまでも正座ができるよう、続けていこう。

 そういやラジオ体操は、第三があるらしい。第三の難しさは第一第二の比ではないそうだ。いつか挑戦してみたいものだ、と談寛は言った。プロジェクトえーっくす。

(以上、敬称略)

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(毎月28日頃、配信予定)