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〈書評〉 役者の落語はお父さんのカレー (小宮孝泰 著)

「芸人本書く派列伝 オルタナティブ」 第17回

春風亭昇太のカレー理論

 題名の意味が「はじめに」で明かされている。

 この言葉は小宮と親交の深い、落語芸術協会現会長・春風亭昇太がよく口にする言葉なのだそうだ。面白く、本全体の性格が言い尽くされている箇所でもあるので、抜粋して引用する。

 かなり間を抜いて紹介したが、ニュアンスは伝わるのではないかと思う。他のジャンルの芸人・芸能人が演じる落語について、本職の落語家の立場から、自分たちが感じるべき危機感について書かれた文章で過去にいちばん納得したのは、立川談之助『立川流騒動記』(ぶんがく社)のそれである。

 要約すると「自分より演技ができるやつに教えて、上手かったらどうするんだ」なのだが、この「お父さんのカレー」理論ならそれはそれ、別のものだと見なすという棲み分け方も可能ということになる。