NEW

怖くて面白い、面白くて怖い

「コソメキネマ」 第十八回

怖くて面白い、面白くて怖い

今回は、心理実験が暴く人間の狂気と権力の暴走を描く映画をご紹介!!

港家 小そめ

執筆者

港家 小そめ

執筆者プロフィール

 他人が一体何を考えているのか、自分のことをどう思っているのかを知りたいというのは、多かれ少なかれ誰でも持っている感情なのではないかと思います。

 10代の頃、これからは腹を割って生きていこうと思ったことがあります。

 とにかく集団生活、学生生活が苦手だったし、人が何を思っているかわからない、怖いぞ、人間界とずっと思っていたので、ある種の解決策だったのかもしれません。まあ、これは本当に浅はかな考えで、他人も傷つけ、自分も傷つき、無駄な軋轢を生み、ひどい目にもあいました。正直にものを言うのが必ずしも正解ではない、けれど、嘘もつきたくないというハザマでずっと生きてきたような気がします。

 大人になってからは、幸い会社などの集団に入ることもなく、正直に感情を出す人たちがまわりに割合多かったので、だいぶ楽になりました。

 生きにくさは変わらずありますが、昔よりはツラの皮も厚くなったので、その辺の按配も多少はできるようになったかもしれません。今は感情なんてお天気で変わる、本当の人の気持ちなど結局他人にはわからないのかもしれないなぁと思っています。でも時々、少しの共感があると人はホッとして生きていけるように思います。

 それが、たとえ幻想だったとしても。

 飲み屋の片隅のような場所でひっそり語られてきたような共感や本音が、今はSNSで全世界に発信されています。人の本音を簡単に知ることができます。そして簡単に嘘もつけます。私も、他人の気持ちを、他人の嘘をネット上で知り、驚いたり、腹が立ったり、翻弄されたりすることがあります。それにまんまと乗ってしまいそうになる時もあります。

 「お前がそれを言うのかー!」と何度、思ったことか。以前、友人に「会うと悪口ばっかり言ってるのに、ネットでは良い話しか書かない」と言われたことがあるので、私も同じことを思われているかもしれません。

 ネット上で何かを発信する時は、自分にとっての真実をと心がけているつもりですが、それも果たして真実なのかはわからない。つくづく大変な世の中です。少し途方にくれています。