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2026年10月のつれづれ(玉川祐子104歳を祝う会、注目の浪曲公演)

月刊「浪曲つれづれ」 第18回

2026年10月のつれづれ(玉川祐子104歳を祝う会、注目の浪曲公演)

この日の主役を囲む、笑顔の天中軒雲月と玉川太福

杉江 松恋

執筆者

杉江 松恋

執筆者プロフィール

浪曲に恋した少女

 10月の浪曲界は、玉川祐子104歳の寿ぎで始まった。

 玉川祐子は、関東大震災の前年にあたる1922(大正11)年生まれである。茨城県笠間市の山間で生まれ、幼少期をそこで過ごした。放浪芸人であるデロレン祭文(さいもん)に出会ったこともあるという。

 十代の時には日本三大稲荷の一つである笠間稲荷神社近くにある宿屋に奉公に出された。お詣り客で賑わう街で働くうちに、レコードから流れてくる浪花節に魅了されるようになり、自分でもやってみたいという夢を抱いた。

 東京・浅草に出てきて二代目広沢虎造の門を叩いたが、女性の弟子はとらないと断られる。途方に暮れたが同じ浅草に住まいのあった鈴木照子を紹介され、自分よりも年少だった少女浪曲師に入門した。

 しばらくは浪曲師として活動していたが、声が向いていないと言われ、曲師への転向を勧めれる。浪曲を続けたい一心でそれを承諾し、以降80年以上の長きにわたって三味線を弾き続けてきたのである。詳しくは私が聞き書きを務めた『100歳で現役! 女性浪曲師の波瀾万丈人生』(光文社)をご覧いただきたい。

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 誕生日が10月1日なので、浅草木馬亭で7日間行われる月例の定席初日がそれに当たった。「玉川祐子104歳を祝う会」としてこの日の公演は行われたのである。

 それに先立つ9月22日、トーク番組としては随一の長さを誇るテレビ朝日系列『徹子の部屋』に祐子は登場した。収録があったのは初夏だと聞いているので、だいぶ経ってからの放送である。

 黒柳徹子がゲストの芸歴を聴く場面もあったが、自分よりもキャリアが長い芸人・芸能人と会うことも稀であろう。付き添いとして玉川太福も一緒に出演している。10月1日のお客さんはこの放送をご覧になった方も多いと思われ、満員御礼の興行となった。