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2026年10月のつれづれ(玉川祐子104歳を祝う会、注目の浪曲公演)

月刊「浪曲つれづれ」 第18回

客席いっぱいの愛情

 幕が開くと、いつもと少し様子が違う。

 普段であれば中央に浪曲師のテーブルが置かれ、曲師は上手側にいる。その位置が中央よりに寄せられている。この日の主役を観客によく見てもらおうという配慮だろう。さっき幕の向こうから聞こえてきた声は、このことについて聞いていたものだったのか。

 舞台の祐子に向かって割れんばかりの拍手が起きる。次いで舞台に登場した玉川太福にも惜しみない拍手が贈られた。「さっき楽屋で『太ちゃん、漫才やろう』って言われました」と太福。「それが聞いてみたら新作台本なんですよ。だから私の浪曲はちょっとだけで、あとは漫才をお楽しみに」と言って始めたものの、そこは百戦錬磨であるだけに短縮版でもどかどか観客を受けさせる。外題は「祐子と徹子」。もちろん先日放送になったアレの、話せる範囲の裏話である。

 浪曲が終わって太福、祐子が中央のマイクへ。「みんな祐子師匠に会いたくて来てくれたんですよ」という太福に、祐子は「そんなことないだろ。師匠(太福)のお客さんじゃないの」と半信半疑である。客席を見るように促され、全員の視線が自分に注がれているのを見て104歳は大いにはにかむ。その仕草が可愛らしい。

 肝腎の漫才のほうは、「かーっとなったら忘れちゃった」とのことでおそらく準備した台本の半分くらいをご披露して終わった形となった。続きはまた今度、おそらくは来年の10月1日に開かれる105歳記念の会で聴けることだろう。それまでずっとお元気でいていただきたい。

 11月28日に江戸東京博物館大ホールで昼夜興行が開かれる2026年度の「第59回豪華浪曲大会 浪曲博物館」は、玉川祐子が出演する昼の部が先に満員となった。協会では江戸東京博物館内に別会場を準備し、公演の模様が観られるライブビューイングを行うという。

 一昨年あたりから大会の客入りは目に見えて上がっており、満員が普通という状態になってきた。このまま活況が続いたら、いつかまた元の浅草公会堂や、それと同等の大会場に戻れる日が来るかもしれない。浪曲大会の会場は大きければ大きいほどいいのである。

▼「第59回 豪華浪曲大会」特設サイト

https://gouka-rokyokutaikai2026.studio.site/