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ゴーゴー浪曲太陽傳

「浪曲案内 連続読み」 第14回

ゴーゴー浪曲太陽傳

マスターの笑顔が照らす、浪曲と人情の輪(画:原えつお)

東家 一太郎

執筆者

東家 一太郎

執筆者プロフィール

お茶の水に輝く太陽

 お茶の水にある、隠れ家ダイニング「スカイルーム太陽」というお店で「東家一太郎 太陽の会」という名前の浪曲会をさせていただいています。

 そのスカイルーム太陽は、今年2026年(令和8年)9月1日で55周年を迎えました。今回は、そんなお話……。

 令和8年9月の1日、厳しい暑さもひと段落、人の心も秋めいて、なんとなく良い気持ち。いつものように看板のあかりを付け、音楽を流すと、その男は動きの遅いエレベーターに乗った。

 「今日は誰が来るかな? 売上はあがるかな?」

 ひとり思いを巡らせる。店のドアにかかった札をひっくり返す。クローズからオープンに。この男こそ、誰あろう。スカイルーム太陽のマスター、深川忠生(ふかがわただお)、その人だ。

 マスターの深川忠生さんとのご縁をいただいたキッカケは、落語の柳家小志ん師匠。講談の一龍斎貞橘先生と開催していらっしゃった「天地寄席」に声をかけていただきました。

 天地寄席というのは、講談師が落語を、落語家が講談を、浪曲師が落語を、というように天と地を逆にする、他のジャンルの芸を演じるという珍しい趣向の会。太陽のように、とても暑い夏の日だった記憶があります。

 マスターは毎日、日記を書いていらっしゃいます。それをまとめた50周年記念誌を紐解いてみますと、2017年(平成29年)7月1日土曜日。その日初めて、太陽で浪曲をさせていただきました。

 その翌年の夏も天地寄席、秋には千葉の東金での「スカイルーム太陽 出張寄席」にも出演させていただきました。その後はお店へ講談の田辺鶴遊先生に呑みに連れて行っていただいたり、マスターも私たちの浪曲会を観に来てくださいました。