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噺家の衣替えの話

「お恐れながら申し上げます」 第14回

噺家の衣替えの話

落語家の衣替え。いちばん大変なのは、半衿の縫い付け?

入船亭 扇太

執筆者

入船亭 扇太

執筆者プロフィール

スケスケの着物に別れを告げる季節

 おはようございます。入船亭扇太です。

 今年は、去年よりも暑さが続かなかったような気がします。その代わりに雨が降り続いております。どんよりとした空模様が続いて日光を浴びる時間が少ないと気持ちも落ち込んできて、何をするのも面倒になってきます。体の動きが鈍くなって、起きるのも一苦労です。

 そんな今月は、衣替えのことを書きたいと思います。夏の着物を片付けて、単衣(ひとえ)や袷(あわせ)の着物を出すこの作業が面倒なんです。今回は、私の衣替えの様子を書きます。おっしゃりたいことがあってもぐっと飲み込んでいただいて、最後までお読みいただけますと幸いです。

 衣替えの季節について「遅すぎるだろ!」と思われるかもしれません。本来ですと、8月が終われば単衣に替えるべきなのですが、ここ数年は残暑が厳しく汗だくになってしまいますので、暑さが落ち着いてきた9月末になってしまいました。まだ暑い日もあるようですが、10月になってもスケスケの着物を着ているのもおかしいと思い、重い腰を上げたというわけです。

 今の暦と昔の暦は1ヵ月ほどずれているようです。寄席や落語会の会場には立派な空調設備がありますので、暑くて汗をかくことも寒くて凍えることもありません。先日伺った中学校の体育館にエアコンが設置してあるのを見て、驚きました。

 さすがに屋外の高座に空調はありませんが、近い将来、送風ファン付きの羽織が発売されるかもしれません。これは便利だと思います。扇子型のスイッチで風の強弱を調整したり、付属のアタッチメントに氷を入れれば冷風を出すことも可能。どんな高座でも快適に落語をすることができます。

 ――私は買わないと思いますが。