NEW

噺家の衣替えの話

「お恐れながら申し上げます」 第14回

高座を彩る着物たち、その舞台裏は悪戦苦闘

 夏の着物の整理ができたら、今度は単衣と袷の着物を出します。

 夏の着物よりも量が多く、出して並べるだけでも一苦労です。これを衣装ケースに分けて入れていきます。よく使うのはここ、たまに使うのはこっち、単衣はここで、袷はこっちにしようかなと考えながら分けていくのは楽しいです。

 ここでも出てくるのは、長襦袢です。半衿を付けなければいけません。これが外すよりも手間が掛かります。年に2回しかやらない作業ですから、未だに慣れません。何とか1枚付け終わると、1時間近く経っていたこともあります。

 コツを掴んできたなと思うと、もう半衿を付ける長襦袢がありません。これを一生涯繰り返すのかなと思うと憂鬱です。早く上達したい。そのためには稽古あるのみです。皆様の半衿もお付けしましょう。出来上がりには責任を持ちませんが。

 そして、ようやく衣替えが終わります。羽織紐は使う時に適宜付けていくので、今年の衣替えは終了です。来年の春が終わるまでは、この着物たちと高座を務めます。

 最初は大事に着ておりますが、衣替え前になると、倦怠期とでも言うのでしょうか、2月くらいから少しぞんざいな扱いをしてしまいます。そして、衣替えの時に手放し、洗いから帰って来て久しぶりに見ると、また大切にしようと思うのは、遠洋漁業の夫婦のようですね(何を言っているのでしょうか)。

 皆様も噺家の着物に注目してみてはいかがでしょうか。その仕度の裏にある苦労や手間暇が垣間見えるかもしれません。

▼入船亭扇太 X

https://x.com/sentairihunetei

  • 日程:
  •  2026年11月14日(土)
  •  開場 17:30 開演 18:00
  • 会場:
  •  三櫂屋
  •  (新宿区舟町4北村ビル 2階)
  •  → Googleマップ
  • 出演:
  •  入船亭扇太
  • 料金:
  •  予約・当日 1,000円
  •  
  • ご予約:
  •  メール
  •   → sentairihunetei@gmail.com

(毎月11日頃、配信予定)