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好奇心が切り開く、新しい講談の世界 一龍斎貞奈(中編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第49回
- 講談
趣味のダイビングを楽しむ貞奈(提供・一龍斎貞奈)
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。〈一龍斎貞奈(いちりゅうさいていな)さんの前編/中編/後編のうちの中編〉
海の向こうに、まだ見ぬ世界がある
―― ダイビングはやっていますか。
貞奈 しょっちゅう行っています。今年は小笠原の父島に初めて行って、クジラとイルカがこれでもか!というくらいいました。あそこが日本の領土で良かったなと思いました(笑)。あそこまで日本の海域を通って行けるわけですし、自然遺産としても守っていかなくてはと思いました。
―― 私もおがさわら丸に乗って行ったことがありますが、何もない……。ウミガメの放流を手伝ったり、私はシュノーケルが好きなので、ここはめいっぱい海で遊んで魂を解き放つ場所だと思いました(笑)。
貞奈 前のおがさわら丸ですよね。今は船も新しくなりました。カメも山ほどいますからね(笑)。カメ肉を食べますよね。可哀想だと思ったんですが、食べてきました。美味しかったけど(笑)。
―― 海を前にして何か感じることはありますか。
貞奈 潜り始めて16~17年経ち、今は地元に近い沼津で潜っているんですが、温暖化が原因なのか、海の中が変わっていることは感じます。ダイバーの師匠も言うんですが、圧倒的に魚が減りました。そういうことも講談で発信したいなあと常々思っています。
―― すしざんまいの話も読んでいますし(笑)、真面目な話をすれば、サンゴ礁の白化も地球規模で問題になっていますから、そういうのも講談化していければ面白いでしょうね。
貞奈が読んだ「すしざんまい」の話とは、『木村清とソマリアの海賊 ~すしざんまいde海賊退治~』。その創作のきっかけを、貞奈はXにこう記している(抜粋)。
やっと二ツ目にあがるようだと思った時に、まず何を書こうかとアレコレ考えた。その時にネットで当時バズったニュース『すしざんまい美談 ソマリア海賊退治に貢献』である。調べてみると木村社長も中央大学の先輩!! これは直接本人に繋がれるに違いないと思い、あちこちで「木村社長とお知り合いじゃないですか?」と聞きまくった。もちろんその間に社長の自叙伝やインタビュー記事などで大体の内容をリサーチしていたが、ちょうど私があちこちでこの話をしている時に亀井静香先生が「じゃあ、繋いであげる」と仰ってくれて木村社長に会えることになった。
(2024年12月14日発信)
この話、今は貞奈のYouTubeで楽しむことができる。
―― 今、ほかに興味のあることはありますか。
貞奈 実は今、2年半ほど英語の勉強をし直しています。まず日本国内の市場を守らなくてはなりませんが、海外公演は増やせるでしょうし、ビジネスレベルで考えれば、海外公演を行っていきたい。
今は後方で字幕を使ったりしていて、字幕はきっちり喋ることを決めて合わせなければなりませんが、もっとAIが発達すれば、来年あたりには同時通訳のシステムを開発できると聞いています。
私の知り合いで、海外から映画を買い付けてきて、吹き替えをして販売している人がいるんですが、日本語だけは音声AIによる変換を自動化できないから、やっぱり一度日本語に翻訳して、声優さんにアテてもらわなければできない。それでもまだ4~5年はできないと言われているんですが……。