すずめ踊りを見ようとや

「すずめのさえずり」 第十四回

 気がつけばいつの間にか、バク転教室の費用を初めは落語協会、次いで住吉踊りの会が負担してくれるという話まで持ち上がっているではないか。

 今ほどずうずうしくなかった私はノーとは言えず、落語の稽古そっちのけでバク転教室に通うことになった。

 だが結局、バク転に不可欠な「体を反らす」ことがうまくできず、また手首も痛めていたため、バク転を飛ばしてバク宙(いわゆる宙返り)だけをなんとか会得した。逆上がりもできない小学生だったことを考えると、我ながらこれはすごい。自分で自分を褒めてやりたい。

 しかし、付け焼き刃は剥げやすいとはよくいったもの。1年か2年はそこそこ飛べていたのだが、次第に形が崩れ、床スレスレの危険なバク宙へと変わっていった。その成長と衰えたるや、オレは「アルジャーノンに花束を」の主人公だろうか?、ともいうべき様相を呈していた。

 バク転ができれば、もしバク宙に失敗しても、そのまま手を付いてバク転に移行することができる。それができない私は数年でギブアップし、同時に三人かっぽれも番組から消えた。

 今年、カポエィラをやっていてバク転のできる春風亭一猿さんが加入し、10年ぶりに三人かっぽれが復活した。めでたいめでたい。あとは若人に任せ、老兵はのんびりやらせてもらうよ。

 一猿さんだけでなく、最近は二ツ目さんの活躍がめざましい。踊れる人にはどんどん出番を、という、座長の志ん彌師匠と橘之助師匠の方針により、若手も目立つところに上げていただけるようになった。鏡味仙成さんなどは、橘之助師匠に代わって初心者に教えることもあり、もう師範代代代、くらいの位置まで来ている。