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後世に残すべきもの

古今亭佑輔とメタバースの世界 第11回

後世に残すべきもの

メタバースで体験する、大迫力の石見神楽

古今亭 佑輔

執筆者

古今亭 佑輔

執筆者プロフィール

記録から体験へ

 「デジタルアーカイブ」をご存知だろうか。

 文化や歴史、芸術、資料などをデジタルデータとして保存し、将来に残したり、多くの人が利用できるようにすることである。YouTubeに落語の動画を残すのも一つのデジタルアーカイブである。

 しかしVR(仮想現実)の世界には、もう少し高度なデジタルアーカイブが存在する。それは、動画のように平面ではなく、3Dで実際に体験している感覚になれるものである。

 昨今、様々な企業や団体、個人がメタバース(仮想空間)に参入している。たとえば、ある企業は販売店舗などを作り、アバターが洋服を試着して、それと同じ服をオンラインで購入できる仕組みなどを作っている。

 地方自治体などの参入も見られるようになった。話題となったものでは、島根県江津市の伝統芸能である石見神楽(いわみかぐら)が体験できるワールド(仮想空間内の個別エリア)がある。日本神話でも有名なスサノオノミコトとヤマタノオロチの対決が描かれている作品だ。

 ワールドに入ると座敷になっており、スイッチを押すと公演が始まる。まさに圧巻のパフォーマンスである。演者が目の前でリアルタイムで舞っているような感覚で観ることができる。

 リアルと一点だけ違うのは、公演中に舞台に上がれること。間近で観られるのもVRならではである。

 実物は一度も体験したことはないが、非常に迫力のあるパフォーマンスに圧倒される。自分はぜひ、現地で本物を観てみたいと思う。

 このようにお客さんを実際に現地に足を運ばせるところまでできれば、大成功であろう。しかし、なかなか上手くいかないパターンもある。

 今回は、デジタルアーカイブを残す意味について考えてみたい。