はみがきじょうずかな
「ずいひつかつどお」 第1回
- 落語
立川 談寛
2025/06/28
皆さま、歯を大切に
6月4日は「むし歯予防デー」。
さらに4日から10日までの一週間は「歯と口の健康週間」だそうだ。説明するまでもないが6と4で「む・し」と読む語呂合わせになっている。
付け加えると、4月18日が「よい歯の日」、11月8日が「いい歯の日」だそうだ。「よい歯」と「いい歯」の違いは全くわからないが、日本人はこういった語呂合わせが好きなのかもしれない。
先日、久しぶりに歯医者に行った。本当は半年前からずっと行きたかったのだが、ズボラなのでつい放ったらかしてしまった。別に歯が痛くてとかではなく、歯医者さんの言うことにゃぁ、歯石がつきやすいタイプらしいから、スタコラサッサ通ったほうが良いとのことだ。
どうせこれから頻繁に行くのだから、なるべく家から近い歯医者さんを探そうと早速、Googleマップを開いたら、なんとそこら中、歯医者だらけであった。
あれ、もしかしてコンビニより多いのでは、とAIを使って調べたところ(ただGoogleで検索しただけだが)、コンビニは全国に5万5千軒以上、歯医者は6万8千軒以上あり、歯医者のほうが1万軒以上多いのだそうだ。これは厚生労働省の統計なので間違いはないだろう。
至るところに歯医者がある歯医者だらけで歯医者の巣。迷った挙句、その中で比較的新しく綺麗で、そこそこクチコミの評価が高い歯医者さんを選んで予約を取った。
久しぶりに行った歯医者さんは、とても綺麗で清潔に感じた。当然だ。歯なんていうデリケートな部位を治療するのだから、医院の中が汚いと説得力がなくなってしまう。そう思うと医院の中が院長の口腔内のように思い、壁や天井などを見回してしまったが、どこにも虫歯はなかった。
保険証ではなく、マイナンバーを何かの機械で読み込んで受付をした。便利な世の中になったものだ。あ、マイナンバー反対している人もいるのか。何がマイナンバーじゃい、全くけしからん。私は両方の味方であり、コウモリ野郎なのだ。
診療が始まった。残念なことに、レントゲンを撮って歯石を取ってさらにレントゲンを撮ったところ、奥歯に虫歯らしきものが見つかった。実に何年ぶりの虫歯であろうか。
歯はちゃんと磨いているつもりだったが、過去に虫歯を治療した被せ物の下が虫歯っぽいそうだ。「次回から本格的に治療を始めましょう」とのことで、すぐに予約をした。もう正露丸を詰めるのはこりごりだ。
歯と歯と歯茎の間を毎日しっかり磨き、歯の間に糸を通したりしていれば、滅多に虫歯にはならない。しかしながら歯磨きは問題ないとして、糸通しまで習慣にするのは大変に骨が折れる。
社会人は生活が不規則なので、精神的に元気な時もあれば、色々面倒に感じる時もある。落語家が社会人に当てはまるかはわからないが、一般的な社会人より不規則ではある。師匠談志のように歯磨きを趣味にまで昇華できれば良いが、そういう特殊な人は少ないだろう。
虫歯とは何か。私は医者でも哲学者でもないので、これだという答えはないのだが、つまりは「人間にとって百害あって一利なしの何らかの何かなのだ」と、どこかのおばあさんが言っていたような気がする。
おっと、最後に奥歯に物が挟まったような言い方をしてしまった。だが勘弁してもらいたい。挟まってはいないが、現在、奥歯が絶賛虫歯中なのだ。
皆様も、歯を大切に――。
(以上、敬称略)

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(毎月28日頃、掲載予定)
第2回はこちら
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