昭和101年に寄せて ~落語は新しい!!
月刊「シン・道楽亭コラム」 第9回
- 落語
- その他
シン・道楽亭
2026/01/10
サザンと落語の幸福な共通点
私が10代から一貫して聴き続けている歌い手に、サザンオールスターズ(以下、サザン)がいます。サザンはデビュー47周年を迎えました。サザンの顔、桑田佳祐さんは折に触れて自分の楽曲についてこう言ってます(意訳です。音源はTOKYO FM「桑田佳祐のやさしい夜遊び」)。
「R&B、エルヴィス(・プレスリー)、モンキーズ、ビートルズ、そして昭和の歌謡曲などの模倣ですよ、僕の楽曲って」
また、「昭和歌謡の一人、前川清は日本のジム・モリソン(ロックバンド・ドアーズのボーカリスト)、当時流行りのラテン系民謡系の流れを汲む歌謡曲とは異なっていた」とか、美空ひばりとブルースの関係とかに言及して、「ボブ・ディラン好きとかクラプトン好きとか言ってるけど、本当は昭和歌謡の方が自分のルーツかも」とも打ち明けています。
サザンのライブに行きますと、まさに老若男女、百花繚乱のお客様。私のような母娘はもちろん、パパママお子様、三世代で来ている方もザラに見かけます。桑田佳祐さんの楽曲や舞台がどの世代にもハマるという表れですね。
桑田さんが推す現代の人気ポップシンガー、あいみょんさんのパパが桑田ファンだと言って桑田さんが複雑な反応をした(「九段下フォークフェスティバル」2025年10月12日、武道館)のも、約半世紀の間、愛され続けている音楽ということでしょう。
その音楽の多くは「模倣」と謙遜しておられますが、それは模倣ではなく、「芸の伝承と、リスペクトから生まれた新作」と呼べるものと考えます。
落語の世界でも同様に「芸の伝承」はもちろんのこと、前述したような「先人へのリスペクト」を含む多くの落語・落語家が続々誕生しています。演者一人ひとりが、過去の財産を骨董品扱いせず、資産として息を吹きかけ「器用に使い分けて」工夫し、活性化しているからでしょう。
どんな古典落語も無限の再生可能エネルギーとなって、新しい風を常に巻き起こしているように見えます。真摯に古典をアップデートする演者の魅力は、時代に取り残されそうな私にも、時代を先取りするような新しい落語ファンにも確かに届いているのです。
古いものと新しいものの融合によって“能化”を避けることができている落語は、私自身の生き方にも通じそうです。今年はChatGPT、使ってみるかなあ……。

共同席亭 服部晶代
▼シン・道楽亭の公演スケジュール
(毎月10日頃、掲載予定)
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