社会派講談の旗手 神田香織(中編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第7回
- 講談
瀧口 雅仁
2025/07/28
中沢啓治を囲んで。右から二人目に二代目山陽、左から二人目に香織
一時期、絶滅危惧種とまで言われるも、現在、東西合わせて120名を超えるまでになった講釈師。江戸から明治、大正、昭和と、主に男性が読み継いできた芸であったが、平成、令和と時代を経て、女性目線による女性の講談が世に送り出されてきた。その時、講釈師は何を考え、何を読んできたのか。第一線で活躍する女性講釈師に尋ねてみた。(神田香織先生の前編/中編/後編のうちの中編)
『はだしのゲン』から学ぶ平和の重み
『はだしのゲン』は漫画家である中沢啓治が1973年(昭和48年)に発表した、中沢自身が国民学校一年生の時に、広島への原爆投下での実体験をもとにした作品である。主人公の少年ゲンが、父親が遺した「踏まれても踏まれても、逞しい芽を出す麦になれ」という言葉を胸に、戦前、戦中、そして戦後の世の中を生き抜いていく物語だ。近年、図書館などでの閲覧制限問題や、2023年(令和5年)には広島市で使用されている平和学習教材からの削除問題がクローズアップされたことを知っている人も多いだろう。
― 今年は、戦後80年です。8月15日を前に『はだしのゲン』をはじめ、思うところをお聞かせください。
香織 私が『はだしのゲン』に取りかかって39年になるんです。世界を見渡してみても戦争が行われていますし、国内を見ても防衛費が増大して、いつの間にか自衛隊の駐屯地も沢山できてしまって、講談を作った当初よりも危機感を持っています。
プーチン大統領もウクライナを相手に核兵器の使用をほのめかしたり、トランプ大統領もイランの核施設を攻撃しました。核というものがどのような影響を及ぼすのかということを世界中の国々が意識していますし、ここにきて核が戦争の抑止力になるということを世界中のトップが言い出していることにも危機感を覚えます。偶発的なことでも、一度核が使用されてしまい、もう核の応酬となったら地球が滅びますし、そうなれば人間だけではなく、自然も環境もすべて消えてしまいます。それを再生するのは並大抵なことではありません。
今やるべきことは、例えば灼熱化した気候変動といったものに、世界中の頭脳が集結して手を打つことではないでしょうか。そうしないと30年後にはもっと気温が高くなってくるし、生き延びるために何をやっていくかということを真剣に考えてほしいですね。そのためには戦争の準備とかに知恵とか税金を投入するんではなくて、当たり前に米や野菜や魚を食べていけるような、そうした世界を守っていくことが第一であると思っています。
私は戦争時代のことを語っていて、今の世の中が戦前、戦中の状況のように思えることが沢山あります。ガザ地区を攻撃しているイスラエルでも、戦中の日本と同じように大本営発表のようなニュースを聞かされて、ガザの現状が伝えられていません。政治的な発言も大切ですが、人道的な立場から、原爆を落とされて、沖縄戦があって、東京大空襲を経験してきた日本が、今やるべき仕事はトップに立つ人がそういうことに気づいて、行動を起こしてほしいということです。そのために昨年、日本原水爆被害者団体協議会がノーベル平和賞を受賞したんじゃないかなと思っています。
いま読まれています!
「オチ研究会 なぜこのサゲは受けるのか?」 第11回
堀の内、時そば、看板のピン
~「俺にもできる」と真似をした男は、まさかの結末に!
林家 はな平
2026/03/06
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第11回
病んでる間に千春の春到来
~体調不良で“声”を失っても、“笑い”は失わない宇宙一の美人浪曲師の事件簿!
東家 千春
2026/03/03
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々の舞台裏
三遊亭 司
2026/03/02
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「テーマをもらえば考えます」 第7回
愛と青春のカレー断ち
~うん、世の中よく分からないことだらけだわ……
三遊亭 天どん
2026/02/28
「オチ研究会 なぜこのサゲは受けるのか?」 第9回
不動坊、抜け雀、七段目
~「てっぺんから落ちたな」「いいえ、七段目」
林家 はな平
2026/01/06
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
「オチ研究会 なぜこのサゲは受けるのか?」 第1回
道灌、あたま山、芝浜
~悔しいが秀逸なオチ!
林家 はな平
2025/05/06
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「オチ研究会 なぜこのサゲは受けるのか?」 第2回
たいこ腹、粗忽長屋、甲府い
~縁の積み重ねで成り立つ人生
林家 はな平
2025/06/06
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々の舞台裏
三遊亭 司
2026/03/02
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第11回
病んでる間に千春の春到来
~体調不良で“声”を失っても、“笑い”は失わない宇宙一の美人浪曲師の事件簿!
東家 千春
2026/03/03
「テーマをもらえば考えます」 第7回
愛と青春のカレー断ち
~うん、世の中よく分からないことだらけだわ……
三遊亭 天どん
2026/02/28
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
「芸人本書く派列伝 クラシック」 第10回
〈書評〉 〈声〉の国民国家 浪花節が創る日本近代 (兵藤裕己 著)
~浪曲・中興の祖、桃中軒雲右衛門の声が編んだ幻想の共同体
杉江 松恋
2026/03/01
「オチ研究会 なぜこのサゲは受けるのか?」 第11回
堀の内、時そば、看板のピン
~「俺にもできる」と真似をした男は、まさかの結末に!
林家 はな平
2026/03/06
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「ずいひつかつどお」 第3回
ぼうけんだんきち
~可能性の獣たちよ、大海原に漕ぎ出そう!
立川 談寛
2025/08/28
「マクラになるかも知れない話」 第七回
街道一の大節分
~男には、逃げてはならない時がある!
三遊亭 萬都
2026/02/26
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第10回
宇宙一の美人も風邪には勝てない
~たっぷりの愛情を込めて演芸界という濃密な世界を描く芸人日記
東家 千春
2026/02/03
月刊「シン・道楽亭コラム」 第10回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.2
~共同席亭という名称のひらめきと、橋本さんとの生前最後の面談詳細
シン・道楽亭
2026/02/10
「二藍の文箱」 第10回
かたばみ日記 ~初主任の十日間
~高座と人生が交差する、濃密で温かい日々の舞台裏
三遊亭 司
2026/03/02
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第11回
病んでる間に千春の春到来
~体調不良で“声”を失っても、“笑い”は失わない宇宙一の美人浪曲師の事件簿!
東家 千春
2026/03/03
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第七話 「若手人気落語家殺人事件 【解決編】」
~寛容な落語の世界、非寛容な現実の世界
三遊亭 ごはんつぶ
2026/02/13
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
月刊「浪曲つれづれ」 第10回
2026年2月のつれづれ(沢村豊子を偲ぶ会、玉川奈々福の徹底天保水滸伝、帯広浪曲学校)
~世界に一つだけの宝
杉江 松恋
2026/02/09
「お恐れながら申し上げます」 第6回
早朝寄席のこと
~精一杯やりますので、ご来場をお待ちしております
入船亭 扇太
2026/02/11
「くだらな観音菩薩」 第10回
帝釈天
~うまくいかない日もあるけれど、楽しいことを探す力があれば大丈夫!
林家 きく麿
2026/02/16
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第5回
落語家の夢
~俺の目は、まだ濁っていない!!!
桂 三四郎
2025/11/27
「令和らくご改造計画」
第六話 「若手人気落語家殺人事件 【事件編】」
~古典派と新作派の溝!?
三遊亭 ごはんつぶ
2026/01/12
「令和らくご改造計画」
第四話 「初心者よ永遠なれ」
~AIが落語を演じる時、それでも人は笑えるのか?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/11/12
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第6回
運と皆様のおかげです
~人間は弱い生き物です
桂 三四郎
2026/01/01
シリーズ「思い出の味」 第19回
雪のココア
~内弟子時代に憧れた甘い味
柳家 わさび
2026/01/13
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「令和らくご改造計画」
第五話 「ヨセジャック事件」
~落語家にとってのマクラとは何か?
三遊亭 ごはんつぶ
2025/12/12
シリーズ「思い出の味」 第15回
水茄子とジンジャーエール
~夏の青臭さ、生姜風味の泡沫が映す情景
林家 彦三
2025/11/25
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第7回
世間せまないか?
~落語家を多数輩出する片田舎、神戸の垂水
桂 三四郎
2026/02/01
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25
編集部のオススメ
「けっきょく選んだほうが正解になんねん」 第8回
微笑みながら中指を
~笑えて震える、ご近所交流録! マトリックスばあさん、降臨!!
桂 三四郎
2026/02/25
「令和らくご改造計画」
第七話 「若手人気落語家殺人事件 【解決編】」
~寛容な落語の世界、非寛容な現実の世界
三遊亭 ごはんつぶ
2026/02/13
「艶やかな不安の光沢」 第1回
謂れなきものたちの飛躍
~年始からとちってしまった芸人の胸のうち
林家 彦三
2026/02/12
「お恐れながら申し上げます」 第6回
早朝寄席のこと
~精一杯やりますので、ご来場をお待ちしております
入船亭 扇太
2026/02/11
月刊「シン・道楽亭コラム」 第10回
シン・道楽亭、誕生前夜から今へと続くキャリー・ザット・ウェイト Part.2
~共同席亭という名称のひらめきと、橋本さんとの生前最後の面談詳細
シン・道楽亭
2026/02/10
月刊「浪曲つれづれ」 第10回
2026年2月のつれづれ(沢村豊子を偲ぶ会、玉川奈々福の徹底天保水滸伝、帯広浪曲学校)
~世界に一つだけの宝
杉江 松恋
2026/02/09
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第24回
講談界を駆ける一鶴イズムの継承者 田辺銀冶(前編)
~魅力と素顔に迫るインタビュー
瀧口 雅仁
2026/02/03
「宇宙まで届け! 圧倒的お転婆日記」 第10回
宇宙一の美人も風邪には勝てない
~たっぷりの愛情を込めて演芸界という濃密な世界を描く芸人日記
東家 千春
2026/02/03
「二藍の文箱」 第9回
寄席、そちらとこちら
~寄席の客席と楽屋は、やさしさにあふれている
三遊亭 司
2026/02/02
掲載記事300本記念
〈掲載記事300本記念〉 柳家さん喬師匠 スペシャルインタビュー【前編】
~小さん師匠の「おめでとう」から始まる新しい年
話楽生Web 編集部
2026/01/25