58回目の豪華浪曲大会
「コソメキネマ」 第六回
- 浪曲
港家 小そめ
2025/10/23
落語浪曲
夜の部は「若手奮闘! 全員ネタおろし!」ということで、若手の演者がその日初演の演目を披露するという企画。こちらの方が従来の浪曲大会に近い形かもしれません。
口開けは、広沢菊春兄さん案内役のもと、前座さん5人が自身のルーツになる節にチャレンジするというもの。普段は関東節の玉川き太さんが関西節、かおりさんが初代の節を唸ったり。菊春兄さんのマニアック解説も楽しみです。
続きまして、浪曲の新作を多く繰り出している東家千春さんが、なぜか今回は新作を封印して古典をネタおろし、スペインでギタリストという経歴を持つ天中軒景友さんが自作の新作に自身のギターと沢村美舟さんの三味線という異色の三味線ギター浪曲。
仲トリは、真山隼人兄さんが「女殺油地獄」、トリは最年少浪曲師・国本はる乃姉さんが国本武春師匠譲りの「佐倉義民伝 甚兵衛渡し」。両方大ネタ!
夜の部はまだまだチケットございますので、是非いらしていただきたいです。
今大会、私はもともと出演予定はなく、祐子師匠のお相手をしたり、物販で浪曲協会パーカーを売りまくろうと呑気に構えておりましたが、富士綾那さんの代演で、急遽出演することとなりました。私のネタおろしは、落語の「だくだく」という演目を浪曲化したもので、脚色は曲師の沢村博喜さんです。
落語と浪曲は同じ話芸でも、性質がかなり違うと個人的には思います(節が入るので、当然なのですが)。もちろん、落語の中でも人情話などは比較的浪曲化しやすいと思いますし、実際に浪曲化されているものもたくさんあります。
「だくだく」は好きな話なのですが、落語らしい楽しい話だけに浪曲らしさをどう出すのか。博喜さんの台本は、浪曲ならではの要素が加味されて書かれているので、それを活かせるよう頑張りたいと思っております。
落語を浪曲化することは以前からあり、先代の広沢菊春先生は落語浪曲で名を馳せ、寄席で活躍した方でした。孫弟子に当たる澤雪絵姉さんも、今大会の昼の部で演台やテーブル掛けなし、座布団一枚の落語スタイルで大師匠が掛けていた落語浪曲「大山詣り」を口演します。
この先代の広沢菊春先生が出演されている映画があります。松林宗惠(まつばやししゅうえ)監督の『がんばれ!盤嶽』(1960年公開)です。真っ正直で純情な侍・阿地川盤嶽(あぢがわばんがく)がその正直さのために裏切られたりする悲喜交々を小林桂樹(こばやしけいじゅ)さんが少しコミカルに哀愁も漂わせながら演じています。
原作は白井喬二(しらいきょうじ)さんの『盤嶽の一生』で何度か映画やドラマ化されています。2000年代には役所広司さんでドラマ化されているので、そちらをご覧になった方もいらっしゃるかもしれません。
菊春先生はどちらかというと悪役でしたが、体を張った役柄で、観た時に驚きました。動いていらっしゃる菊春先生を見たのもこの映画が初めてでした。以前、澤孝子師匠にこの映画の話をしたところ、「私、師匠の鞄持ちで行ったのよ。懐かしいわね」と嬉しそうに仰っていたのを思い出します。
第58回 豪華浪曲大会 ~一期一芸

2025年11月28日(金) 夜の部 17:30開演
(昼の部は満席のため、チケット販売終了)
・大会特設ページ
→ https://gouka-rokyokutaikai.studio.site/
・Web予約(CoRichチケット!)
→ https://ticket.corich.jp/apply/390386/
■今回の映画
『がんばれ!盤嶽』(1960年制作、松林宗惠監督、94分)
▼がんばれ!盤嶽 – 作品情報・映画レビュー(キネマ旬報WEB)
(毎月23日頃、掲載予定)
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