古今東西を自在に読む講釈師 松林伯知(後編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第30回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/03/15
温故知新――当世を読む講談の使命
―― 講談協会と共催の「泉岳寺講談会」も、この4月には50回を迎えます。
伯知 最初は義士会さんから話があったんです。先代の山遊亭金太郎師匠がお付き合いがあったそうで、今はその名前を継いでいる、義士会さんとお付き合いがあった金太郎師匠、当時のくま八兄さんを通じて、「日本講談協会と講談協会合同で、泉岳寺で定期的に講談会ができないか」と私に相談があったので、師匠の紅を通して、講談協会にも話をして開催実現できた会です。琴調先生、師匠の紅、貞寿先生、私の4人で運営しています。
私にとっては、初回から出ていた会ですし、真打昇進襲名披露の大初日も泉岳寺講談会になり、大変に嬉しかった。私の時もそうですし、一龍斎貞弥さんや貞鏡さんと続いていき、真打披露では両協会の口上が見られる貴重な会なので、これからも永く、次は100回目を目指して!と思っています。
繰り返し記すことになるが、講談は温故知新の芸である。先人たちから受け継いできた芸を継承することも大切であるが、かつての講釈師がそうであったように、当世をどう読み描き、それを聴き手に伝えていくかも大切にしていかなくては、講談は廃れる一方になる。
今、伯知がどんなことを考え、どんな風に講談に取り組んでいくのかを最後に迫ってみた。
―― 3月21日には久々に「講談忍法帖」をお江戸上野広小路亭で開催します。
伯知 以前は『南総里見八犬伝』の連続読みの会として、らくごカフェで開催していた勉強会でした。真打になって、改めて『伯知の講談忍法帖』として、芸協の若手特選会枠で復活させていただくことになりました。毎回テーマを決めて、そのテーマに関係する新作講談と、ゲストの師匠をお呼びします。
今回は「昭和百年・特撮」をテーマに『円谷英二(つぶらやえいじ)』を読みます。ゲストは特撮雑誌の編集記者であった瀧川鯉朝師匠と、円谷プロでウルトラマンショーの専属司会を務めていた三味線漫談の藤本芝裕先生をお呼びして、座談をやったり、高座を務めての会です。
―― 私は世代的に『ザ☆ウルトラマン』(1979~80)と『ウルトラマン80』(1980~81)なんですが、正直言って、あまりハマらなかった……。
伯知 私も世代だと、ウルトラマンがちょうどいない頃で……。アニメのウルトラマンキッズとか、とんねるずと出光石油がやっていたウルトラマンゼアスくらい。レンタルビデオを親にねだったりして、やっと昔のウルトラマンを観られる、常に餓えていた世代なんです。だからこそ、よく知っている人たちに来てもらって、いろいろと話を聞いてみたいんです。客席にも関係者がたくさん来るので、そうした方の話を聞くことができれば、また新しい話を知ることができるのではないかとワクワクしています。今後も「妖怪・伝奇・怪談」の特集をやりたいですね。初代伯知の『本所七不思議』もありますし、各地の化け猫ものなど、変わった不思議な話をたくさん聴いてもらいたい!
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