NEW

母のカレーと鯨汁、時々“かきのもと”

シリーズ「思い出の味」 第24回

やっぱりズワイは草津に限る

 ここで落語家になってからの話もしておきましょう。

 二ツ目時代の仕事に「草津温泉落語」がありました。会場は、湯もみショーでお馴染みの湯畑から徒歩5歩……、徒歩5分じゃないです、5歩です。5歩! 徒歩5歩で着く「熱の湯」です。

 夕食はホテルでバイキングをいただくのですが、何度行ってもウキウキしてましたねぇ~。季節感溢れるメニューもさることながら、私自身が歳を重ね、過去の失敗を生かし、バイキング上級者になったということもあります。

 昔は、元を取ろうとするあまり、初手からいろんなものを大量に取り、満腹になっているのにも関わらずデザートまで手を出し、帰りの車で具合悪くなるということを何度もやりました。

 その過去の苦い経験を生かし、メニューを把握するために、まず先に場内を一周するようになってから、私のハッピーバイキングライフがスタートしたのです! 9つの窪みがついた皿に、肉・魚・野菜・果物とバランス良く乗せていく……。焦ることはない……。気に入ったら、また取りに行けばいいんだ。

 そこは冬季になると、カニフェアなるものまであるので大興奮! カニで腹いっぱいになりたいのですが、そこのバイキングは都合上、高座前しか行けないので、食べ過ぎの罠に気をつけながら、海なし県(群馬県)でカニに舌鼓を打つのも、なかなかオツなモノでした。

鯉づむの中にある乙女

 私、見かけはオジサンですが、味覚は乙女なんです。

 酒席でもビールは乾杯だけですし、その後は柑橘系サワーを注文。前述のバイキングでもバランス良く、いろんなものをチョットずつ食べたい。アフタヌーン・ティーなんていう洒落たのも好きですし、ケーキというよりはカヌレとか、あのサイズ感のスイーツにたくさん手をつけたい乙女心。

 そしてサウナよりも岩盤浴が好きだし、最近では夏場は日焼け止めクリームを塗ったりなんかして、冬場になれば靴下を履いて寝たりもしております。味覚どころか、ルーティンまでもが乙女化しつつあるんですよ。

 ……食について話を戻しましょう。

 酒席では、サッと切り上げる時もあれば、ダラダラと5~6時間くらい呑む時もあります。後者だと時間が経つにつれ、熱燗、紹興酒、ホッピー、焼酎お湯割りなどを注文……。

 アレ? 全然、乙女じゃない。ツマミもエイヒレ、梅水晶、銀杏といったところですが……やはり乙女ではないなぁ~。夜が深まるにつれ、やはり段々と化けの皮が剥がれて、オジサンに戻っていくのもまた常ですな。