母のカレーと鯨汁、時々“かきのもと”
シリーズ「思い出の味」 第24回
- 落語
春風亭 鯉づむ
2026/05/27
クッサイもの大好き!?
そんな味覚乙女オジサンは、こないだ駒込で友人とイタリアンを食べてきました。
旬のキノコやチーズに合わせる「呑み比べワインセット」なるものがあったんですが、その中の1つに、すえたような独特な匂いのするワインがありました(赤ワイン・衣類の生乾き風味)。鼻に抜ける風味が強烈で、呑むのに一苦労。
ようやく呑み終えて一段落しましたが、しばらくしたらまた呑みたくなっている自分がそこにいるんです! そう、皆さんご存知の通り、クサイは美味いんです!
日本だと納豆、くさや、鮒寿司などがその代表例であり、海外だとドリアン、臭豆腐なんてのもありますね。子供の頃は、台所から漂ってくるモツ煮や鯨汁の独特な匂いが嫌でした。……しばらくしたら慣れて、大好物になったけど。
あ、「鯨汁」って、ご存知ですかね? 東北地方にもあったかな? 鯨の脂身と大根、人参、玉ねぎ、ジャガイモなどの野菜で、味噌ベースや醤油ベースで作るごった煮汁。
これを言うと、鯨汁が苦手な人に非常に嫌がられるのですが、翌日には鯨汁を雑炊にしてバクバク食べていました。この異様さ、伝わりますかね? 新潟限定での異様さかもしれません。
アレを再現する術を今、私は失っています。あの鯨汁から雑炊に至るレシピを母に聞いておかなかったことを、凄く後悔しています。うろ覚えだが、あのクサさを懐かしむためにいっぺん作ってみようかぁ。
……出来上がりは、仏壇に供えてみるとするか。
(文中、敬称略)

▼春風亭鯉づむ X
(了)
前回はこちら(講談師・田辺一記さん)
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