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新しい響きを持つ講談への挑戦 神田おりびあ(前編)

「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第38回

楽器を捨て、語りを選んだ日

おりびあ 帰属意識もありました。私はどこに属しているんだろうか。今もまだ見つけられていませんが……。

おりびあ 江戸で栄えた芸であることや、江戸という時代が常に意識にありました。一中節(いっちゅうぶし)をはじめに、新内(しんない)をやっていました。浄瑠璃をやりたかったんですが、お金がかかって続けられませんでした。そこで岡本文弥(おかもとぶんや)師匠のお弟子さんのもとに入りました。

おりびあ それまで演奏しかやってこなかったけれど、歌を歌うという表現への憧れがあって、自分でもやってみたくなって、詩吟に能の謡(うたい)を短期間にやりました。かじってばかりですが。

おりびあ 薩摩琵琶もやって、弾き語りもやりました。演奏ばかりでは表現の本質はとらえられない、これは私の考えですが、演奏と歌の両方をやってこそという思いがあったんです。

 言ってしまうと、その両方、どっちもうまいという人は少ないんです。両立することの難しさを感じて、私は楽器を捨てて、語りのほうを選びました。もともと語りのほうが大切だと思っていたのも、その選択肢に表れました。