新しい響きを持つ講談への挑戦 神田おりびあ(前編)
「釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編」 第38回
- 講談
瀧口 雅仁
2026/05/30
運命の出会い
―― ところで、音楽以外の趣味はあるんですか。
おりびあ 手先が器用なので、DIYとか手芸です。
―― 自宅でDIYを手がけようとした時のカビとの戦いを読んだ、おりびあ作の新作講談『黴合戦』がありますね。私も聴いたことがありますが、いい評判を耳にします。何かほかに作ったりもするんですか。
おりびあ 折り畳める釈台を作ったりもしました。
―― 手芸ではどんなものを。
おりびあ ソウタシエ(soutache、天然石やビーズなどを細い平紐で縁取るように装飾していくヨーロッパの伝統刺繍)をやったりします。趣味で言えば、あとはシュール系のショートフィルムを観たりですかね。
―― なかなか幅広くもあり、ほかでは見られないような個性ある趣味ですね。ますますおりびあさんへの興味が湧きます(笑)。そうした自分なりの表現を追い求めていく中、講談の道を進んだわけですね。では、講談との出会いはどういったものだったんですか。
おりびあ 2021年(令和3年)のコロナの真っ最中、契約社員で働いていたんですが、そこが勤まらなくて。もともと私は夜型人間で、パニック障害も持っていたんです。社会で使えないなと思いながら、師匠がオンライン教室を開いていることを知ったんです。
―― その教室はどのようにして知ったんですか。
おりびあ (神田)織音姉さんを知っていたんです。琵琶の奏者と共演の会があって、織音姉さんが『応挙の幽霊画』を読んでいたのを覚えています。その時の奏者の師匠のことを私が知っていて、この人と同じ師匠の元で講談を勉強したいと思ったんです。
―― その教室を経て、講釈師になろうと決意したんですね。
おりびあ いえ、プロになろうとは思っていませんでした。
次回の〈中編〉では、神田おりびあが追い続ける「理想の軍談」に迫る。修羅場読みの魅力、女性ならではの声音への葛藤、そして答えのない芸だからこそ挑み続けられる理由とは。講談を“言葉”ではなく“音”として捉える彼女の感覚的な芸論も必見。異端の経歴を持つ講釈師の本音が詰まったインタビューです。
(文中、敬称略)

▼神田おりびあ(講談協会 公式ホームページ)
▼神田おりびあ X
向じま墨亭での公演予定はこちら。ご予約お待ちしてます!

神田おりびあの会
~『寛永三馬術』に挑む①
- 日程:
- 2026年7月4日(土)
- 開場13:30 開演14:00
- 会場:
- 向じま墨亭
- (墨田区東向島1-10-20)
- → Googleマップ
- 出演:
- 神田おりびあ
- 料金:
- 予約・当日 2,000円
- ご予約:
- メール → ticketbon@yahoo.co.jp
- ※お名前・電話番号・枚数を記載ください。チケットは当日受付での精算です。
(中編に続く)
前回はこちら
編集部のおすすめ記事です(師匠の神田香織先生へのインタビュー)
―― 瀧口雅仁『釈台を離れて語る講釈師 ~女性講釈師編』連載一覧
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